2020年10月28日水曜日

Life線上の僕らディレクターズカット版☆☆☆☆☆

 2020年10月28日Life線上の僕らディレクターズカット版☆☆☆☆☆

配信ドラマのディレクターズカット版映画.仙台で先行公開後,東京でも公開は予定されていますが,新宿シネマート一館,しかもレイトショー,一週間だけなので仙台まで見に行きました.
DC版が面白かった例がないので不安に思っていましたが大丈夫でした.
ほぼ本編通りに,さらに.本編ではカットになった82歳の夕希の死までが原作通りに涙を誘う映像,しかし明るく書かれています.夕希に取り付けられた心電図のアラームが鳴る,ベッドを抜け出し駆け出す夕希,いつの間にか制服姿に,線上を走る,その先には学生服姿の晃が・・・・・・涙涙


ドン・キホーテ☆☆☆☆☆

2020年10月25日 ドン・キホーテ☆☆☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス

キトリ・・・・・・・・・・・・柴山沙帆 
バジル・・・・・・・・・・・・中家正博
ドン・キホーテ・・・・・・・・趙 載範
サンチョ・パンサ・・・・・・・高橋一輝
エスパーダ・・・・・・・・・・伊澤 駿
指揮・・・・・・・・・・・・・冨田実里
演奏・・・・・・・・・・・・・東京フィルハーモニー交響楽団

主役二人は,主演初めてかも,無難な出来だとは思うけど,このプロダクションは何度も見ているけど,ザハロワ=ウバーロフコンビとか,マールイのシヴァコフ=エフセーエワとかクチュルクとか見ているから地味に思える.
さらに伊澤くんは華がありすぎて,出てきた瞬間「え?この人が主役?」と持って行かれた.
片手リフトは「いつもより多く持ち上げてます」感たっぷりだったし.
サンチョの高橋くん,毛布ジャンプで飛び上がるたびに体操競技みたいに回ったりするから,このシーンで初めて拍手が起きた.
三密を避けて「子役は出さない」「コール・ドも減らす」と言う割には貧乏臭くはなく,終幕のカラフルチュチュが「明らかに少ない」ぐらい.
指揮の冨田女子,実にうまく合わせていた.久しぶりに「バレエ専門の指揮者」が誕生ね.

2020年10月16日金曜日

スパイの妻☆☆☆☆☆

2020年10月16日 スパイの妻☆☆☆☆☆

 戦争反対のプロパガンダ映画か,日本軍の悪行を暴く反日映画かと思ったら,思い切り「愛の映画」じゃありませんか.
貿易商,福原優作に嫁いだ聡子,神戸の六甲で裕福な生活をしている.
夫の優作と甥の文雄は満州に出張後様子が?
どうやら満州で関東軍の不味い情報を手に入れてしまったらしい.そしてその情報を「博愛の精神」から連合国に持ち出そうと試みる.聡子は夫を「売国奴」と罵り,特高にチクる.と言っても愛国心でも,イデオロギーでもなく,「ただ夫と一緒にいたいだけ」
最終的に,証拠の文書とフィルムを持って,優作と聡子は二手に分かれて米国に亡命を試みるも,「匿名の通報により」聡子は逮捕.聡子が持った貴重な証拠書類はおふざけ書類に変えられていた.

そうです.「偽物の書類を持たせ一人で米国に亡命を試みた聡子をチクった」のは優作だったのです.それが解った聡子は「お見事!!!!」と狂乱し癲狂院へ.

戦後優作の死亡証明が出たが,「偽装臭い」.数年後聡子は米国に移住.

わからないけど「関東軍の悪行」は米国に売り渡すことにより,関係者は無罪をゲット.一部はその後「薬害AIDS」で有名な「ミドリ十字」の設立に関わった.
多分聡子は優作と米国で一緒に生涯暮らしたんだろうな?な終わりかた.
とにかく,徹頭徹尾,聡子は「夫と一緒にいたい」だけの可愛い女性なの.

時代考証に少々難有り(当時のサラリーマンは通勤や営業周りにはほとんど帽子を被っていた,とか当時の男ヘアは刈り上げが基本,とか職業婦人は夏場でも手袋着用とか)当時の日本語の考証が駄目とか(「戦後の没落貴族」を描いた「安城家の舞踏会」ではいい年したババア連中がお互いを「あっちゃま」とか「おばさま」とか呼んでた)あるけど.
同じ時代の映画「地獄に堕ちた勇者ども」で見事にこの付近の考証をしていたヴィスコンティとは「やっぱり才能が違う」のよね.
英題名が「Wife of a spy」なんだけど,とっても日本人の発想で良いわ.「The interview with the Vampire」があまりにも直接過ぎて,個人的には「an Interview with a Vampire」のほうが日本的と思ってたから.

とにかく蒼井優

お見事


2020年10月11日日曜日

バブルを訪ねて

久しぶりにバブルの跡地を訪ねて見ました.
まずは汐留の駅からスタートし,ゆりかもめ沿いに南下.
イタリア公園のあたりからガード下をくぐった「港区海岸1−1」


202010月11日撮影

2009年5月撮影.このときには人家がありました.



洗濯物がありますから本当に住んでいたのでしょう.
Googleストリートビューだと2014年まであったようです.

もう少し南に行くとこのような趣のある家が.都バス「海岸2丁目」バス停すぐのところです.
この付近に伝説のディスコ「ゴールド」があったはず.
(実際はもう少し南の浦島橋を渡ったところだそうです)

そしてこのビルにあったのがJuliana's TOKYO.
あの頃はどちらもよく通いました.

東京ポートボールの近くにもこんな建物が残っていました.愛育病院の目の前です.
そして思い出したのが,
芝浦の見番.
三業地が無くなって,その後は協働会館」として使用され,その後老朽化に伴い閉鎖され野晒しになっていましたが,民間の働き掛けで,区が保存修復を決めたと聞いたのはいつのことだったか.修復が終わり「港区伝統文化交流館」として開館したのが,今年の春.ポートボールから歩いても5分ぐらいです.
一階にはこの付近が花街だった頃の話や歴史の展示物が.

二階は舞台があり,芸妓さんたちが踊りの練習をしたりしたところです.
今はとてもきれいに整備され,落語会などにも使われているとのことです.浅草の見番も同じような作りですね.

実は伊丹十三の名作「タンポポ」のロケ地がこの界隈に多くあり,たまたまバブルの頃勤務先がこの近くになって,休日にこの付近をさんぽするのが趣味でした.この付近はビル街なのに,休日は人通りが少なく,散歩には最適です.最近はこの付近にタワーマンションが増え,スーパーなどもできてきたので,休日でもそこそこ人通りがあります.
バブルの頃はこの付近に「アクセスが悪い」のが売りの飲食店がたくさんありました.

夏の夜の夢

 2020年10月10日 夏の夜の夢☆☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス

オーベロン・・・・・・・・・・・藤木大地
タイターニア・・・・・・・・・・平井香織
パック・・・・・・・・・・・・・河野鉄平
ライサンダー・・・・・・・・・・村上公太
ディミートリアス・・・・・・・・近藤 圭
ハーミア・・・・・・・・・・・・但馬由香
ヘレナ・・・・・・・・・・・・・大隅千佳子
児童合唱・・・・・・・・・・・・TOKYO FM少年合唱団
指揮・・・・・・・・・・・・・・飯盛範親
演奏・・・・・・・・・・・・・・東京フィルハーモニー交響楽団

8ヶ月ぶりの新国公演.歌手や指揮者は来日できず,演出もソーシャルディスタンスを考えて変更が入り,更にリモートで演出とか.
一番お見事だったのは少年合唱団,もちろん歌はうまいけど,躍らされるわ,楽器は演奏させられるわ.でも本当にお見事にこなしてました.
歌手ではヘレナの大隅さんが良かった.スピントもあるけどレッジェーロも軽やかで.
鳴り物入りで登場の藤木さん,きれいなカウンターテナーだけど,本物の女声たちが見事な発声だったので,「所詮は裏声」な感想になってしまって残念.
急遽代演の飯盛さん,ブリテンのきれいな曲を見事に鳴らしていました.ただ,原作自体が好きでないあたくしには・・・

2020年10月9日金曜日

望み☆☆☆

 2020年10月9日 望み ☆☆☆

原作を読んでないのでなんとも言えませんが,名作になる可能性を秘めた駄作です.
いずれにしろ「子供を失う親」の映画は辛いです.
だめな部分.

  • 石田ゆり子演じる母親,典型的な「女ってこういうところが駄目なのよね」な女「感情で動く」「論理的でない」「理解力ゼロ」「子宮で考えるタイプ」苛つく.
  • ストーリーの核心でもある「切り出しナイフ」を息子から取り上げた父親,息子が事件に関わった疑いがあるも「切り出しナイフ」を確認しない.普通なら真っ先に確認するだろ?
  • 最後の最後で,日本映画によくある時間稼ぎ.携帯が鳴っているのになかなか出ない,意味のないコマ伸ばしやスローモーション.
多分原作はもっと面白いのだろうなという予感はしました.息子役の岡田 健史くん美しかった.
加藤雅也が美しく老け込んでいて好感.
その加藤雅也の警察官のセリフ「しっかりした少年,真面目な少年ほど自分たちで解決しようとして少年犯罪に巻き込まれる」心にしみました.

2020年10月6日火曜日

ライフ・イズ・カラフル☆☆☆

 2020年10月4日 ライフ・イズ・カラフル☆☆☆

まず,カルダン氏がまだご存命だったことにビクーリ.そのカルダン氏のドキュメンタリー.
イタリアで生まれ,第一次世界で全てを失いフランスに移住,第二次世界大戦後パリへ出てパカンのメゾンに就職,その後ディオールへ,ディオールのコネでコクトーの映画や舞台の衣装を作り,ジャン・マレー,ヴィスコンティ,パゾリーニたちと知り合う「当時の僕はハンサムだったから,みんな僕と寝たがった」

ジャンヌ・モローとの同棲したこともあった.プレタポルテを立ち上げ,自動車からスリッパまでライセンスし,一大帝国を築いた.
現在に至るまでLVMHやケリングと行ったファッション系コングロマリットに買収もされず,孤高の帝国を守っている.
日本に注目したのも早く,真っ先に日本に進出したブランドでもあった.

制作にカルダンジャパンも加わっていることから森英恵,桂由美,高田賢三,カルダン出身のゴルティエ,フィリップスタルクも顔を出したいた.

とこの映画を見て帰ってきたら「高田賢三死去」のニュースが.
ま,あたくしはカルダン氏の作品はあまり好みではないのですが,内容はそれなりに面白かったです.



追記 2020年12月29日,カルダン氏逝去