2022年3月30日 CODA☆☆
アカデミー賞のおかげで,田舎のシネコン,平日の比較的浅い時間なのに,大混雑でした.
かなり前,第一次世界大戦前ぐらいの時代設定で,NYを舞台にしたドラマを見たことがあるけど,アメリカの聾者に対する反応って20世紀から変わってないのね.
で,父母兄が聾者で,妹が唯一の健聴者.どこへ行くにも,何をするにもこの妹がいないと会話ができない.「私は家族の通訳のために存在するのか!!」
NYのドラマでも「事故で死んだ弟の棺桶の値引き交渉までさせられた」というシーンがあった.
でね,確かにいい映画なんだけど,なんで両親は孤立を選んだのだろうとか,なんで聾者向けの教育を(読唇術やメモによる会話とか)受けさせなかったのだろうとか,日本人の理解を超えた部分が多くて,イマイチのめり込めなかった.
大昔,東横線で通勤していた時,聾学校(高校かな?)の生徒達がたくさん乗ってきたけど,みんな明るく手話で会話していて可愛かった.彼らが使っているのは「日本手話」,テレビの手話通訳は「日本語対応手話」で,相互に意思の疎通はできるけど違う言語です.
そういえば,アメリカの標準手話ってASLなんだけど,アメリカ英語と違って多少の方言があるらしいの,それをやつらは「patois」って呼ぶらしいの.これってフランス語ではものすごいきつい表現で使ったら乱闘になりかねない単語なのよ.
つーわけで,アメリカ人は普通に障害者を差別する民族です.という内容.
その後,この映画の原作となった,フランス映画の「エール」と,同じようにCODAを扱ったNHKのドラマ「しずかちゃんとパパ」を見たけど,どっちもここまでひどい登場人物は出てこなかったし,しずかちゃんのパパは必ず「筆談ボード」を持ってでかけている.
ということで評価下げました.やっぱりアメリカ人とは仲良くできない.