2022年3月31日木曜日

CODA☆☆追記あり

2022年3月30日 CODA☆☆

アカデミー賞のおかげで,田舎のシネコン,平日の比較的浅い時間なのに,大混雑でした.
かなり前,第一次世界大戦前ぐらいの時代設定で,NYを舞台にしたドラマを見たことがあるけど,アメリカの聾者に対する反応って20世紀から変わってないのね.

で,父母兄が聾者で,妹が唯一の健聴者.どこへ行くにも,何をするにもこの妹がいないと会話ができない.「私は家族の通訳のために存在するのか!!」

NYのドラマでも「事故で死んだ弟の棺桶の値引き交渉までさせられた」というシーンがあった.
でね,確かにいい映画なんだけど,なんで両親は孤立を選んだのだろうとか,なんで聾者向けの教育を(読唇術やメモによる会話とか)受けさせなかったのだろうとか,日本人の理解を超えた部分が多くて,イマイチのめり込めなかった.
大昔,東横線で通勤していた時,聾学校(高校かな?)の生徒達がたくさん乗ってきたけど,みんな明るく手話で会話していて可愛かった.彼らが使っているのは「日本手話」,テレビの手話通訳は「日本語対応手話」で,相互に意思の疎通はできるけど違う言語です.

そういえば,アメリカの標準手話ってASLなんだけど,アメリカ英語と違って多少の方言があるらしいの,それをやつらは「patois」って呼ぶらしいの.これってフランス語ではものすごいきつい表現で使ったら乱闘になりかねない単語なのよ.

つーわけで,アメリカ人は普通に障害者を差別する民族です.という内容.


その後,この映画の原作となった,フランス映画の「エール」と,同じようにCODAを扱ったNHKのドラマ「しずかちゃんとパパ」を見たけど,どっちもここまでひどい登場人物は出てこなかったし,しずかちゃんのパパは必ず「筆談ボード」を持ってでかけている.
ということで評価下げました.やっぱりアメリカ人とは仲良くできない

2022年3月27日日曜日

オートクチュール☆☆☆☆

2022年3月26日 オートクチュール☆☆☆☆

これは「最強のふたり」の焼き直しだわ.
ディオールのお針子で,まもなく引退するエステル.移民で低所得,低学歴やる気もないジャドの手を見て「立派なお針子になれる」と確信し,自分の手技を仕込もうとする.
何度も裏切られるも,なぜかジャドにこだわるエステル.疎遠になった自分の娘と重ねているのか?
で,最後にお針子になる決意をするジャド.お約束.

エステル役のナタリー・バイ,実質的なデビュー作である「アメリカの夜」から見ていたことに自分でも感心.
エステルは柄の悪い電車でパリへ通勤していると思ったら,やっぱりRERでした.

オートクチュールは分業だというのは知ってたが,刺繍やレースは別の職人に外注するところとか,本物のハウスマヌカンとか,ディオールが完璧にフォローしたので考証もバッチリ.

設定は現代だと思うけど,だれもがいつでもどこでもタバコスパスパ.確かに欧米は日本ほど分煙が進んでいないけど.(「ベルファスト」もそうだったけど,あれは1960年代の話だから)


2022年3月25日金曜日

ベルファスト☆☆☆☆

 2022年3月25日 ベルファスト☆☆☆☆

政治的に云々というより,「ラスト・ショー」や「アマルコルド」みたいな「少年が見た故郷の日々」的な話.
宗教,人種関係なく仲良く暮らしていた北アイルランドのベルファスト,突然プロテスタントがカトリックを襲撃する.
主人公のバディはプロテスタント家庭の子供.経済的には恵まれていないが,そこそこ幸せな家庭.父親はjoiner(大工と訳されていたけど,joinerやcarpenterが作るのは家具,家は建てない.日本語で言うなら指物師?)
イングランドに出稼ぎに行っている父親は,イングランドの会社に結構良い条件を提示される.
ベルファストが焦臭くなって,一家はイングランドへの移住を決める.お婆ちゃんが「don't look back」
ほぼ全編モノクロ,映画の引用部分と最初とクレジットだけカラー.でも美しい.
あたくしが若い頃,IRAの活動はすごかったし,ベルリンの壁も絶対に崩れないと思ってた.
今の北アイルランドはそれなりに平和だし,ベルリンの壁も無くなった.
あたくしもダブリンに行ったことはあるけど,特に危険は感じなかった.

2022年3月21日月曜日

ウェディング・ハイ☆☆☆

 2022年3月21日 ウェディング・ハイ☆☆☆

面白いのだけど,主役の夫婦ふたりがイライラするやつなので評価低いです.(男は優柔不断,断りきれずに初対面の人を結婚式に招待するようなバカ,女はいわゆる「マンコ」殴り倒してやりたいような女.)

ま,岩ちゃんのあられもない姿が拝めるのと,脱糞シーンが可愛かった.
宮尾俊太郎が格好いい中年になってて好印象.

カッペイ☆☆☆

 2022年3月18日 カッペイ☆☆

おそらくこの映画は原作のほうが遥かに面白いような気がする(読んでないけど)

2022年3月15日火曜日

椿姫☆☆☆☆☆

2022年3月13日 椿姫☆☆☆☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス

トラヴィアータ・・・・・・・・・中村恵理
アルフレード・・・・・・・・・・マッテオ・デソーレ
ジェルモン・・・・・・・・・・・ゲジム・ミシュケタ
指揮・・・・・・・・・・・・・・アンドリー・ユルケヴィチ
演奏・・・・・・・・・・・・・・東京交響楽団

とにかく中村恵理がすごかった.新国の養成所出身で,その後欧州で大活躍し,新国のプロダクションにも幾つか出演していたもの,あたくしの嫌いなモーツァルトが多かったので,見ていなかったり,記憶になかったり.
2019年の春祭「リュー」がすごかったのは覚えている.
で,彼女の声がヴィオレッタに向いているかどうか・・・・すごかった.レッジェーロも見事だし,高音のピアニシモきれいだった.清涼に余裕があるので,どんなに強い声を出しても金切り声にはならない.レオンタイン・プライスやジェシー・ノーマンを思い起こさせる「ベルベットヴォイス」
演技もすごかった.パパ・ジェルモンとの「別れてください」のシーン,ジェルモンも泣いていたように見えた.ええ,あたくしは号泣.
指揮はこの大変な時期にウクライナから来日してくれたユルケヴィチ,うまく引っ張ってました.
新国の「椿姫」,成功作が無くて,このプロダクションも成功とは言い難いけど,今回はすごかった.本当に泣けました.
繰り返します.中村恵理すごいです.

今日の源ちゃん,ニシンの一夜干し.美味しゅうございました.

会社の敷地で「オオイヌノフグリ」見かけました.大好きなお花です.
おフランス語でvéronique petit chêneと言います.おフランス人に「日本の名前は?意味は?」と聞かれると・・・・・・・・「大犬の陰嚢」