2012年9月1日 東京芸術劇場リニューアルオープニングコンサート マーラー「復活」☆☆☆☆☆ 於東京芸術劇場コンサートホール
S・・・・・・・・・・・・・・小川里美
Ms・・・・・・・・・・・・・清水華澄
合唱・・・・・・・・・・・・・東京音楽大学合唱団
指揮・・・・・・・・・・・・・下野竜也
演奏・・・・・・・・・・・・・読売日本交響楽団
まず一番誉めてあげたいのは,男子の合唱です.pがいくつあるか解らないような小さい声から轟くような声まで出さなければならないこの曲で,バスがとても綺麗に出てました.
さて,呪われたオルガン,ガルニエは今回もメンテナンスが間に合わなかったようです.
単なるオブジェですねこの汚ルガン.
あたくしにとってこの曲の理想は(終楽章)二人のソロの声が解け合ってあたかも一人の歌手が歌っているように聞こえることなんです.
合唱の雲からメゾの,そしてソプラノの声があたかも日の出のように.
例えば名盤と言われているバーンスタインの最後の録音は,新鋭ヘンドリックスとキャリアも終わりかけのルートビッヒの声が溶け合わず,とても違和感のある演奏でした.
一方でコロラトゥーラのベルカントオペラを専門に歌っていた,大砲のような巨声の持ち主であるマリリン・ホーンが,アバドの指揮でネブレットと録音した盤は,ホーンがここまで繊細に歌えるのかと思わせる名盤でした.
Msの清水は,メゾに多い「オカマのファルセット」みたいな声では無く,実に艶のあるきれいな声でした.原光は,あたくしにはちょっとテンポが早かったような.
あたくしは二列目という舞えすぎる席なので舞台上で何が起こっているか全く解らない状態でした.
電子オルガンも,原に響くと言う力は無いけど,音は充分に大きかったので,ま,許してやる.
良く響くホールですから,音楽自体は非常にきれいに鳴ってました.
芸劇のサイトに本年,MXTVで放映された,このオルガンのメンテナンス作業の動画があります.マルク・ガルニエの息子,マチュー・ガルニエがビルダーとして出てきますが,こいつ日本語がペラペラなんですね.このオルガンはそもそも納入の経緯からして疑問が多く,しかも代理店は悪名高い松尾楽器商会とか?
さて,今回芸劇のリニューアルに伴い,あの不安定で長いエスカレータは無くなり二段階で上るようになっていました.
以前の長いエスカレータは確かに怖かったですからね.