2015年4月18日土曜日

平成中村座お大尽席☆☆☆☆☆

2015年4月15日 平成中村座お大尽席☆☆☆☆☆
会社の同僚と「何日かはお大尽席」と話していたのだけれど,勘三郎さんは亡くなる,三津五郎さんは亡くなる,小山三さんも亡くなるで,「思った時に見ないと,一生見られなくなる」と話していて「今年も平成中村座をやるけど,行く?」「行く」ということでチケットを手配,何とか手に入りました.
まず当日は人力車を誂えて中村座へ.車夫さんは'`ァ,、ァ(*´Д`*)'`ァ,、ァな若者でした.観光案内も適切で,東京の人間のあたくしですら「へぇ」なことがたくさんありました.
あたくし達が乗った人力車は「中村屋」がお練りをするときに使われる力車で,勘九郎さんもお乗りになったとか,で,車夫さんは松也くんの力車を引いたそうです.
今回は神社の境内ということで目の前まで力車を付けることは出来ませんでしたが.
さて,もぎりでチケットを見せると「お大尽様ですね,どうぞこちらへ」もぎりのお兄さんが先導してくれます.
下足を脱ぐところでお兄さんが「お大尽様のご到着〜〜」と大声で触れます.
お茶子さんが出てきて「まぁお大尽様,ようこそいらっしゃいました.お履物をお預かりします,どうぞこちらへ,お客様恐れいります,お大尽様のお通りです」とお先触れもしてくれます.
 こんなお席です.一回の上演に二組4名しか座れません.この4人に二人のお茶子さんが付いて至れり尽くせり.
あ〜〜〜,本物の脇息です.
まずは桜湯と干菓子のおもてなし.筋書きもいただけます.
 今回は劇場内外に勘三郎さんのお顔が18カ所あるそうです.お大尽席の背中の屏風絵にも
中村座の定式幕にも勘三郎さんの目が.鼠園の隠れミッキーかよ.
さて,最初の演目,双蝶々曲輪日記,獅童の二役が良かったけれど,この人声があまりよろしくないのよね.
 幕間のお弁当.


 観音開きのお弁当.
筍ご飯とお吸い物もついて.
次は勧進帳
橋之助さんが格好良かったし,
次の幕間は冷たいお菓子と冷たい緑茶.その間も「何かお飲み物お持ちしましょうか?お芝居位が始まってもご飲食は大丈夫です」と
リヤルな「上げ膳据え膳」「下にも置かぬ扱い」
最後の演目,魚屋宗五郎は,まさに落語の人情話.楽しかった.
勘九郎くんは勘三郎さんを彷彿させる演技.七之助くんも「年増の魅力」とコメディエンヌぶり(もっとも「真夜中の弥次さん喜多さん」でタプーリ見せてくれましたが)

さて,舞台が跳ねると「お大尽様,混み合いますのでもう少しお席でお寛ぎください」で,おみやげを貰い,写真を撮ってもらいました.
さて,「お大尽様」の提灯と番傘を持ったお茶子さんに促され,いよいよ帰ることに.
「お見送りは毎回変わります.力車の時もあったし,駕籠の時も.今回は残念ながらお練りだけですが」
出口で別のお茶子さんが,もう一度お触れを「お大尽様のお帰り!」お茶子さんが全員「ありがとうございました」と御辞儀をして拍手.我々はほとんど晒し者.お手振したくなる.浅草寺の本殿までお見送りしていただきました.
ネットの情報見ればわかるけど「中村座のお大尽席は高い,でもその価値は十分ある」
あたくしもそう思います.今回お一人様3万5千円でしたが,終わってみれば,高いとは思いませんでした.とにかくお茶子さんたちが誠心誠意「お大尽気分」にさせてくれます.
都内の一流フレンチでディナーしても同じぐらいかかります.こちらは「お芝居付きの会席料理」のようなもの.コストパフォーマンスは絶対にこちらが良い.
お勧めです.あーーー幸せな一時だった.

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