2019年7月12日 トゥーランドット☆☆☆☆☆ 於 東京文化会館大ホール
トゥーランドット・・・・・・・・イレーネ・テオリン
カラフ・・・・・・・・・・・・・テオドール・イリンカイ
リュー・・・・・・・・・・・・・中村恵理
指揮・・・・・・・・・・・・・・大野和士
演奏・・・・・・・・・・・・・・バルセロナ交響楽団
先日ポーランドへ行った時,ワルシャワのホテルのバーのお兄さん(若くてイケメソ)がオペラ好きなのか,店内のディスプレイによくオペラを流していました.大野センセの振る「ムツェンスク郡のマクベス夫人」なんかもありました.
大野和士センセは欧州のあっちこっちの歌劇場で指揮したり,芸監やったりそれは大活躍でしたが,日本でオペラを振る機会はそんな多くはなかったと思います.特に新国では.
今回は自家薬籠中の物であるバルセロナ交響楽団と,新国で「トリスタンとイゾルデ」で共演したテオリン.彼女の新国初登場もトゥーランドットだった.
で,
両脇に城砦のような構造物と階段.天蓋にはでかい装置が.
ピン,ポン,パンはみずぼらしい底辺系の服装,お城の人たちは白一色,女子と子供は大拉翅風の髪飾り.
とにかくモノクロームで薄暗いので「カラフはどこ?」「リューはどこ?」.
斬首の場面で天井の装置が降りてきて姫が顔を出す.こちらも白の衣装で大拉翅風の髪型.カラフが叩く銅鑼はなく,鉄槌を振り下ろすだけ(オケで銅鑼は鳴るけど)
個人的には,あたくしこのオペラの胆は,銅鑼と姫の登場シーンだと思うのだけど.
二幕で再度降臨してきた姫,3つの謎を解かれて狂乱咆哮する.一つ目でカラフの声がちょっと引っ掻かったけど.
合唱がすごいの,世界一の合唱団である新国合唱団に藤原家劇団とびわ湖ホールアンサンブル,まあ凄い声.でも決して聞き苦しい声ではない.その合唱とフルのオケ,その鉄のカーテンを突き破って届くテオリンの声.この迫力は生で見ないとわからないわ.
あ,このパフォーマンス,NHKが収録していて,9月9日にBSで放映されます.
さて,終幕,姫は地上に降りてきます.見事なまでの中村恵理さんの歌唱「氷のような姫君も」のあとで,自ら隠し持っていた剣で喉頸掻き切ります.
で,「異邦人の名は「愛」」でハッピーエンド.合唱とともに花びらも振って「めでたしめでたし」の音楽が終わる直前,姫は自らの喉を掻き切って自害します.暗転.
案の定,かなりのブーイングもありましたが,演出家は「プッチーニがハッピーエンドを書くわけがない」とこの演出にしたらしい.
オケも「オペラ」ではなく「交響楽」なきれいな音を出してました.やっつけ仕事の東フィルとは大違い
個人的にはでかい装置が動く演出は好きなのですが,「死の都」の時のように,イオンを発生したり,動かなくなったりの不安はありますね.
来週から新国での上演も始まるけど,話題になりそうね,いろいろな意味で.
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