2021年2月12日すばらしき世界☆☆☆☆☆
西川美和監督はすごい.
人生の半分を少年院と刑務所で暮した三上.最後の出所後,身元引受人の世話で生活保護を受けながら仕事を探すも難しい.
この,「やっぱり施設育ちは犯罪者になりやすい」「DQNは怒鳴ることでしか交渉できない」「怒りと暴力の沸点が一般人とは違う」「一寸先のことも考えることができないDQN」あたくしの人生観とは全く接点のない,「唾棄すべき人間」を描いていても「感動作」に仕上げられるのよね.
ディア・ドクター然り,夢売るふたり然り.
でもDQNの人生哲学はわからない.犯罪者なのに「生活保護」は頑に羞恥する.知能が低いから,簡単に詐欺に引っかかりそうになる.テレビ局の「お涙頂戴」番組に誘われて,ホイホイついていく.
で,最初はテレビ局側にいた津乃田が三上の人生に本気で興味を持ち小説にすることを考え,書き始めるも,三上はあっけなく病死.
身元引受人の奥さん役,梶芽衣子(タランティーノに見せてやりたい)自分の身を楯に「三上がこっちに戻ること」を阻止した兄弟分の奥さん,キムラ緑子,そして,津乃田役の仲野大賀,もちろん三上の役所広司も,みんないい演技なの,最後泣けるの.本当に良い映画でした.
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