2022年10月23日 ジゼル☆☆☆☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス
ジゼル・・・・・・・・米沢 唯
アルブレヒト・・・・・渡邊峻郁
ヒラリオン・・・・・・中島駿野
ミルタ・・・・・・・・根岸祐衣
指揮・・・・・・・・・アレクセイ・バクラン
演奏・・・・・・・・・東京フィルハーモニー交響楽団
吉田都ちゃんの演出による新制作.装置,衣装などは極めてオーソドックス.振り付けも殆どプティパを踏襲している.(そもそもパリで初演されたジゼルだけど,20世紀まで残っていたのはロシアだけ,そのロシア版はプティパが改定しているから,ディアギレフによって欧州に里帰りした時「こんな素晴らしいバレエがパリにあったのか」と驚いたという)
まず名指揮者バクランさんの登場に場内割れんばかりの拍手.ロシアによるウクライナ侵攻があった時,比較的早く「バクラン氏はモルドバに逃げた」という情報はあったけど,コロナも落ち着いてきてピットへ.この人本当に楽譜より舞台観ながら振るのよね.それでいてバレエ独特の不自然なタメは感じないの.ジゼルのヴァリの時,オケはロシア風にグロッケンかぶせてたけど,個人的にはあそこはグロッケン無しのほうが好きです.都ちゃんと同じように踊ってたけど,ザハロワみたいに最後迄片足で跳んでほしかったかも.
コール・ド・バレエが出てきたらまー流石は新国のコール・ド美しい美しい.鬼火はしょぼかった以前の演出と違い,鬼火というより遠雷の雰囲気.
ベール引き抜きの瞬間,ドキリとすることが多いのだけど,都演出ではかぶったまま躍り,一回ハケたときに外して再登場の安心バージョン.
アラベスクの姿勢で片足ぴょんぴょん交差するシーン拍手喝采だった.マールイでは必ず拍手だけど,新国のジゼルでこの場面で拍手は初めてか?
渡邊くんのアシストも見事で,唯ちゃん本当に浮いてました.
そして,渡邊くんのアントルシャシス「もう良いから」って言いたくなるぐらい延々としてました.
最後はジゼルは割とあっさり地下に沈み,アルブレヒトが墓に縋ってなく終わり方でしたが,個人的には,スカラ座の,迫りでゆっくりゆっくり沈むジゼルに延々としがみつくような,引っ張ったエンディングが好みです.
終わってみれば感動的な公演でした.
気候が良かったのでHubのテラス席も賑わってました.すっかり秋の雲ですね.
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