2024年7月16日火曜日

トスカ☆☆☆☆☆

 トスカ☆☆☆☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス

まず,新国のレパートリー公演としては「ラ・ボエーム」と並んでの名作だと思う.
カヴァラドッシのイリンカイ,見事なイタリア声,トスカのエル=コーリー,歌も良かったが演技がうまかった.特筆すべきはスカルピアの青山貴.歌手のドタキャンでカバーからの抜擢ながら見事な歌唱と演技でした.彼は同じ日程で行われていた「高校生のためのオペラ鑑賞教室」でもスカルピアを歌っていたので,2連チャンが続いたようだ.かつてイェヌーファで来日したハンナ・シュヴァルツが身内の不幸でドタキャンした歌手に変わってサロメのエロディアードと二連チャンで歌ったときのことが思い出された.
このときは「サロメ」も「イェヌーファ」も重要ではあったが特に声に負担がかかる役ではなかったが,スカルピアは重要だし結構なメイン・キャスト.見事に歌いきった青山貴の今後の活躍に期待したい.
このプロダクションの素晴らしさは1幕のTe Deumの場面展開.装置が左右に掃けると奥舞台の背景と合致してドゥオモになり,荘厳なオルガンの音と鐘のマーチで聖職者たちが入場するシーン.ここは何回見ても感激する.「フェリーニのローマ」を思い出す感じはあるけど.
そして終幕のサンタンジェロ城屋上と地下牢をうまく装置の上下動で表現しているところ.
何度でもみたい.


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