2012年6月20日 コクーン歌舞伎 天日坊☆☆☆☆☆ 於 シアターコクーン
法策後の天日坊・・・・・・・・・中村勘九郎
盗賊お六・・・・・・・・・・・・中村七之助
盗賊地雷太郎・・・・・・・・・・中村獅童
猫間中将光義・・・・・・・・・・市村萬次郎
草津のお三婆・・・・・・・・・・片岡亀蔵
法条駿河介時貞・・・・・・・・・板東巳之助
傾城高窓太夫・・・・・・・・・・板東新吾
下男久助実は大江因幡守廣元・・・白井晃
脚本は宮藤官九郎,演出は串田和美.
あたくしがどっぷりはまった「木更津キャッツアイ」がクドカンの作品でした.目つきが悪く,何も言わない,気味の悪い男として中村獅童が出ていました.後から調べて「え?歌舞伎役者なんだ」と驚いたのを覚えています.
その後も「マンハッタンラブストーリー」「タイガー&ドラゴン」最近では「11人もいる」あたくしはクドカンの台詞回しが大好きです.
それが,まんま歌舞伎になっているのですから面白くない訳が無い.
はじめのシーンからして「時貞殿は?」「遅刻」「?」「遅刻,遅く刻むと書いて遅刻」とクドカン節.やっと来た時貞は自分のことを名前で呼び「時貞今日はちょっと」「お前はミッチーか?」みたいに.
歌舞伎には「芸術」の側面と「娯楽」の側面があり,娯楽の部分を思い切り膨らませたのが,今は亡き「大須歌舞伎」でした.ちゃちな装置に書き割りの背景,それでも狭い大須演芸場で宙乗りまで見せた年末の風物詩でした.まさに抱腹絶倒.その大須歌舞伎が無くなってから,娯楽色の強い歌舞伎がコクーン歌舞伎と平成中村座です.
さて,この作品のテーマは「俺は誰だあっ!」
観音院に拾われ育てられた法策が,世話になった婆さんの死んだ孫が「頼朝のお年胤でお墨付き」と知ると,婆さんを殺して落とし胤に成りすます.ところが,後々一味に加わった盗賊達から,実は頼朝が敵である木曾義仲のお年胤である事が判る.
さらに,鎌倉に上って頼朝のお年胤であると宣言しようとして詮議するのは,観音院で兄者と慕った久助こと大江因幡守.「大江因幡守はだませても兄者はだませぬ」そして「俺は誰だあっ!」な展開に.泣かせる作品です.
白井晃の作品はいろいろ観ていますが,本人を役者としてみるのは,「ア・ラ・カルト」以来じゃ無いかしら?
勘九郎くん立派になりました.七之助くんきれいでした.もう一度みたい作品です.
コクーン歌舞伎は有名人が客席にいることが多いです.今日は,笑福亭鶴瓶師が招待者席に,一般席には小島慶子さんがいました.
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