2013年3月16日 千年の愉楽☆☆☆☆
中上健次お得意の被差別部落物ですが,東日本の人間にはピンと来ないと思います.あたくしの母親は昭和一桁に東京で生まれで,戦争中,祖父の田舎,萩に疎開していましたが,「四つ」言うのが何か全く解らなかったそうです.
あたくしもあらゆる差別はします.鮮人支那人差別は祖父母,両親から受け継ぎ,黒んぼ差別は米軍基地に勤めていた父親から受け継いでます.でも部落差別だけは身近に無かったので,全く解りません.
中学の時に「橋のない川」を見せられましたが「貧乏は嫌だ」としか思いませんでした.全く知識がないから,なぜ彼らが貧乏で嫌われているかが解らなかったのです.
高校の時に「部落解放同盟」にかぶれた同窓生がいましたが,いつの間にか赤いほうへと流れていったので,敷いて言えば「奴らに関わるとろくな事が無い」程度の発想でした.
紀伊の村落の路地」と言われる「部落」に住む中本家の男は「無駄に美しい」ので女がホイホイ寄ってきて,そしてトラブルになって早く死ぬ運命.
その死んでいく男たちを取り上げた産婆の目を通して,男たちのどうしようもない人生が語られます.
面白いのだけど,監督の若松孝二にゲイテイストが全くないので,男たちの美しさは伝わるけど,セクスィーさが伝わってこないんです.撮影監督もゲイテイストは無い人でしょう.井浦 新,高良健吾,高岡蒼甫,染谷将太,美しい男の4連チャンですよ.全くエロが出てきません.
でも,よくできた作品だとは思いました.
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