2015年9月22日火曜日

ボリショイ・バビロン☆☆☆

2015年9月22日 ボリショイ・バビロン☆☆☆

2013年に,ボリショイ劇場のバレエ芸術監督,セルゲイ・フィーリンが暴漢に襲われ,硫酸をかけられるという事件がありました.
その時によく言われたのが,ライバル,ニコライ・ツィスカリーゼ(通称オバQ)との軋轢,総裁との確執.
その内情を暴く作品かと思えば,中身が薄い.マーシャ(マリア・アレクサンドロワ)ははっきり物を言わないし,ツィスカリーゼも登場シーンは少ない.ひたすらマリーヤ・アラシュとアナスタシア・メーシコワの愚痴とフィーリンの文句.
わかったのは「バレエの世界ではロシアは未だにソビエト連邦」陰謀と暗躍,賄賂にコネがはびこっていること.
フィーリンによってボリショイを追放されたツィスカリーゼは,なぜかアシルムラートワの後任で,縁もゆかりもないワガノワの校長に.ツィスカリーゼの生徒で,フィーリンに「鏡を見てご覧,君のどこが白鳥なんだ?」と言われたという,当時ボリショイのコールドバレエだったヴォロンツォーワはミハイロフスキー劇場(マールイ)のプリンシパルに.
フィーリンは「発端」であるホールバーグに胡散臭い耳打ち.総裁とは露骨に仲の悪さを見せる.もう,東海テレビの昼メロ並.
そんななか,リヤルではマールイからキナ臭い話が.ペレン夫妻が突然の解雇.バレエ団の仕事を放り出して,モナコのガラに出たことがバナナ王の逆鱗に(DQNの間では「琴線」と表現するのが流行りですが)触れたようです.
バックステージのシーンも少し.ザハロワも「出てたの?」だし.
バレエファンにはかなり物足りないドキュメンタリーでした.

フィーリン,オーラの少ない人で,開演直前に,オペラシティから新国に向かうときにすれ違ったことがありますが,振り返って「今のフィーリン・・・だよね?もうすぐ開演なのに」と思ったことがあります.

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