2016年1月31日日曜日

荒川区民交響楽団定期演奏会☆☆☆☆

2016年1月31日 荒川区民交響楽団定期演奏会☆☆☆☆ 於 新宿文化センター大ホール

死の舞踏
サムソンとデリラから
ダゴンの巫女達の踊り
バッカナール
交響曲第3番オルガン付き
オルガン・・・・・・・・・新山恵理
指揮・・・・・・・・・・・尾崎雅弘

荒川区民がなんで新宿文化センター?
荒川区のホール,サンパール荒川(サンポールにあらず)が改修工事中で,どうせ他のホールでやるなら,オルガンのあるホールでオルガンの付いた曲をやろうということで,新宿文化センターでの演奏会になったそうです.
アマオケというのは,ひとつの曲を長期間練習するので「その曲だけなら」演奏はとても上手いものです.プロのオケのように「今日はサン=サーンス,明日はブルックナー」はできません.
で,知人がこのオケにいるので,ご招待頂きました.
さて,ケルン社4MP,70ストップのオルガンは1991年に後付されたものです.
国内ではNHKホールのシュッケ社5MP,92ストップが最大(全く聞こえないけど)次がサントリーホールや芸劇,その次ぐらいの大きさか?

オケは弦も木管も金管も見事でした・・・・・・しかし,全てをぶち壊したのがホルンです.裏返る,ぶら下がる,走る,遅れる.とんでもない演奏でした.
特にバッカナールは最後のほうでホルンが吠えるのですが,もう無様としか言いようが無い.中学生だってもう少しまともな演奏ができる.なんでこんなことに?オケの他のパートがとても良い演奏だったのでがっかりでした.
オルガンはトランペット管は無いものの,重低音が利いた良い音を出していました.

魔笛☆☆☆

2016年1月30日 魔笛 於 新国立劇場オペラパレス

タミーノ・・・・・・・鈴木 准
パミーナ・・・・・・・増田のり子
パパゲーナ・・・・・・鷲尾麻衣
パパゲーノ・・・・・・萩原 潤
夜の女王・・・・・・・佐藤三枝子
指揮・・・・・・・・・ロベルト・パーテルノストロ
演奏・・・・・・・・・東京交響楽団

よく出来た演出だと思います.でもね,あたくしが大のモーツァルト嫌いなので,こんなもんでしょう.
佐藤三枝子,流石に声がふらついてはいるけど,Fはきちんと当たってました.

2016年1月26日火曜日

白鯨との戦い☆☆☆

2016年1月26日白鯨との戦い☆☆☆

メルヴィルの「白鯨」ではなく,モデルになったエセックス号の話です.
不漁に悩んでいた「経験不足,家柄だけの船長」と敵対する「経験豊富な一等航海士」,寄港したところで聴いた「クジラウヨウヨの海と白鯨」の話.
で,言ってみると,いるわいるわ,クジラがうようよ泳いでいる.
「入れ食いだ〜」と思ったら・・・・出ました白鯨.体長30メートルの白鯨.
こいつが頭よくて,「母船を壊せば良い」と母船に体当りして沈める.
ここまでが半分,映像はすごいですよ.ものすごくリヤルです.
で,ボートで漂流する船員達,陸が見えたと思ったら,なんと,白鯨が襲いかかってくる「ついてきてるよ」
なんとか島に上陸,ボートを修理してもう一度海へ,ここで何名かは「残る」
で,ボートが漂流を再開すると,また白鯨が追ってくる.
そのうち食料も尽きてきて,死んだ船員の肉を食うことに,これも食い尽したら,次は籤引きで誰かを殺して食べることに,船長の従兄弟が発狂して自害,これを食う.やっと船に出会い救助される.
一等航海士は「島に残った同僚」を助けに行き,何名かは生き残っていた.
「神が人間に地球の統治を託した」というクソムカつく「プロテスタント」の発想(温暖化反対もISO14001もクジラ保護もこの発想)が鼻につくけど,ま,所詮は頭の悪いキリスト教徒ですから,解ってあげましょう.

2016年1月22日金曜日

の・ようなもの のようなもの☆☆☆☆☆

2016年1月22日 の・ようなもの のようなもの☆☆☆☆☆

森田芳光のデビュー作「の・ようなもの」の後日談.森田監督の遺作「僕達急行A列車で行こう」と同じく,とにかく優しい作品です.
森田芳光は,日芸の落研に入ったものの,当時の先輩,高田文夫に「落語のセンスが無い」と言われて落語の道を諦め,映画監督になった.その高田文夫との思い出話のようなものが「の・ようなもの」
あれから35年,出船亭志ん魚は13年前に師匠が志ん扇が亡くなった後に出奔,行方知れずになる.兄弟子の志ん米は一門を率いているが,パトロンの斎藤会長の支援がなければやっていけない弱小な一門.師匠の13回忌落語会に,会長は「志ん魚の出演,演目は志ん魚の新作「出目金」」を希望.志ん米の内弟子志ん田が志ん魚を探す大役を仰せ付かる.
で,谷中で志ん魚を見つけて交渉するも,「師匠と一緒に落語も灰なった」と断る.
結局志ん魚の代わりに志ん田が「出目金」を口演することになるが・・・・・
エンドクレジットの歌は「の・ようなもの」で尾藤イサオが歌った曲だそうです.
カメオ出演がとんでもなく豪華です.主役の松山ケンイチ夫人,小雪も「わたしが出すわ」で主演していたのですが・・・
ほんのり涙が出ます.悲しい映画ではありません.暖かい映画です.

北関東の田舎町のシネコンで360席ある劇場で,一人で貸切鑑賞でした.

2016年1月20日水曜日

シーズンズ 2万年の地球旅行☆☆☆

2016年1月20日 シーズンズ2万年の地球旅行☆☆☆

またもやジャック・ペラン.あたくしにとっては「Z」のカメラマン.当時美少年.
で,映像としては綺麗よ.ほとんどおフランスで撮っているし.でもね,理由も意味もわからないの.何が言いたいの?
単なる映像詩としては良いのだけど,ナレーションが妙に「環境至上主義」なのよ.
GAGAだから脳足りんが台本書いたわけじゃないと思うけど.
あまり珍しい動物も写ってないし,多分あのバイソンが「ヨーロッパバイソン」と理解している人も少ないと思うけど.映像だけ見る分には楽しめる映画です.
それと「シーズンズ」と言うタイトルは何?「セゾン」で良いじゃない.

2016年1月10日日曜日

ニューイヤーバレエ2016☆☆☆☆☆

ニューイヤーバレエ2016☆☆☆☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス

セレナーデ
こういった作品を踊らせたら新国バレエ団はおそらく世界一美しい.
ほぼ全部女性だけで踊られる群舞,チャイコの弦楽セレナーデに合わせて,ロマンティックチュチュで踊る.本当に美しい.
バランシンに偏見を持っていたあたくしが,バランシン好きになる機会を作ってくれた作品です.

フォリア
特に無し.コンテンポラリーですから.

パリの炎PDD
かっとび系のダンサー八幡くんだから,思い切りかっ飛んでるけど,ワシリーエフで見てるから,ちょっと物足りないかも.

海賊PDD
きれいに踊っていたけど,メドーラのヴァリアシオンが通常とは全く違うので,ちょっと.

タランテラ
これもバランシンのかわいい作品,奥村康佑くんがカワイイカワ(・∀・)イイ!!.

ライモンダ三幕
やっとクラシカルな作品.装置や照明が綺麗な上,上演回数もそれなりにあったから,新国バレエ団の自家薬籠中の物と言っても良い作品.
小野絢子ちゃんが可愛かった.

終わってみれば楽しめました.小品も,全幕物も.

2016年1月8日金曜日

海賊☆☆☆☆☆

2016年1月7日 ミハイロフスキー劇場 海賊☆☆☆☆☆ 於 オーチャードホール

アリ・・・・・・・・・・・・・ヴィクトル・レベデフ
コンラッド・・・・・・・・・・ファルフ・ルジマトフ
メドーラ・・・・・・・・・・・イリーナ・ペレン
ギュルナーラ・・・・・・・・・アナスタシア・ソボレワ
指揮・・・・・・・・・・・・・ヴァランティン・ボグダーノフ
演奏・・・・・・・・・・・・・ミハイロフスキー劇場管弦楽団

色々チョンボはありましたが,むしろレパートリー公演だからと言う感じも.
オケは相変わらずうまい具合に合わせてるし,歌う部分もしっかり歌ってます.
指揮者の当て方も名人芸.

  • ルジ,片手リフトしようとして中止.
  • Jardin animeéでコールドの二人がなぜか花輪を持たずに登場,そのまま踊る.
  • さらに,下手奥にはけるはずのコールドの一人が,下手手前に入る
でもね,やはり見せ場の多い「中身の無いキレイキレイな」バレエなの.だから楽しいの.
レベデフは,体型が少年だからカワイイカワ(・∀・)イイ!!.抱きしめたくなる.
ペレンちゃんは神に近くなってきたし,ルジもまだまだ頑張る.
一幕のPDTなんかレベデフはつむじ風のように回るし,ルジも扇風機.「いつもより多く回ってます」の大喝采.
以前こちらに「海賊の版の変遷」を描いておきましたが,こんなにたくさんの作曲家が関わってます.ま,ドン・キも同じなんだけど.
マールイ版は「元祖」ですから.
脳味噌使わないバレエって楽しいですよ.
ただね,オーチャードホールってのは色物が見にくいホールなのよ.
列の間隔は狭い,一階席の前の方は勾配がほとんどない.二階,三階席の前には目ざわりな柵がある.見やすいのはLRのほんの僅かな席だけ.
おまけにビュッフェを担当するドゥ・マゴがJTの系列になったら,開場時に全く準備ができてないとか,幕間にも担当者が少なくて長蛇の列とか,できれば行きたくないホールね.ま,音は良いからオケなら良いけど.

2016年1月6日水曜日

ジゼル☆☆☆☆☆

2016年1月6日 ミハイロフスキー劇場バレエ ジゼル☆☆☆☆☆
於 東京文化会館大ホール

ジゼル・・・・・・・・・・・アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ
アルベルト・・・・・・・・・レオニード・サラファーノフ
ハンス・・・・・・・・・・・ウラジーミル・ツァル
ミルタ・・・・・・・・・・・ワレーリア・ザパスニコワ
指揮・・・・・・・・・・・・ヴァレンティン・ボグダーノフ
演奏・・・・・・・・・・・・ミハイロフスキー劇場管弦楽団

ポピュラーな演目でコールドが綺麗な作品だけど,新国が滅多に上演してくれないので,ここのところご無沙汰でした.
フランスで初演され,翌年にはロシアに輸出された「ジゼル」も本国フランスではとっくの昔に忘れ去られ,生き残って上演されていたのはプティパによる改訂を受けたロシア版だけ(同じように「海賊」もロシア,「ラ・シルフィード」はデンマークでだけ生き残った)
ジゼルがフランスで復活したのは,20世紀前半の「バレエ・リュス」と「バレエは外貨を稼げる」と交渉のカードに使ったソ連のバレエ団のおかげ.
ポリーナが「体調不良でキャンセル(棒読み)」なのでヴォロンツォーワに変更.
ところが,初めて見るヴォロンツォーワ,ボリショイにいたけど,フィーリン事件の余波でマールイに移籍,あっという間にプリンシパルへ.
シェスタコワを髣髴とさせる容姿.さらにポアントノイズが全くしない綺麗な踊り.しかし,足はしっかり上がっている.
デコ(サラファーノフ)とのバランスも良い.片足ぴょんぴょんのヴァリアシオンもしっかり最後まで跳んでる.狂乱の場の演技も申し分ない.思わずウルウル来てしまいました,
それより,指揮者とオケすごくね?踊り手にぴったり合わせるのに,不自然さがなく,なおかつ歌うべきところはしっかり歌ってる.二幕のチェロのソロとかハープもしっかり歌ってる.
二幕になって,コールドがアラベスク,片足ぴょんぴょんで公差するとことは満場の喝采.
PDDもきれいに踊っていましたし,アラベスクで180度開脚した時は,後ろの席のオネイサン(多分バレエ経験者)ヒィって悲鳴あげてました.
デコはアントルシャ・シスを36回繰り返しただけではなく,きちんと「だんだん疲れ果てる」演技もしっかり.(本当に疲れていたとは思うけど)でも高さはキープ.
ボッレもやってたけど「余裕余裕,あと10回ぐらいできるよ」な表情でイマイチだった.ここは踊り狂って殺されそうになるシーンだから.
あたくしはこのバレエ団が好きなのですが,今一つ日本での評価が「マリインスキーの廉価版」的な扱いなのが気に入らない.
確かに嘗てはスターがいなかったから,ザハロワやらテリョーシキナやら,ルジのコネで「余所者スター」を連れてきたけど,シェスタコワは当時からスターだったし,「白痴美」と言われたペレンちゃんも,いつの間にか化けて大スターになったし,フィーリンに「鏡を見てご覧,君のどこが白鳥なんだ?」と言われたヴォロンツォーワもしっかりシェスタコワの代わりが勤まるみたいだし,優秀なバレエ団ではないか?と思います.
このバレエ団の「くるみ」も「眠り」もほとんどカットがないし,「バヤ」は神殿崩れるし,「ドン・キ」も素晴らしいし.
海賊に至っては,今上演されている世界中の海賊の基本はマールイ版だし.
それにしても,シヴァコフはどうしているのだろう?