私はパクチー(香草・コリアンダー)が嫌いだ.スターバックスのコーヒーも嫌いだ.どちらも私の嗜好には合わない.
それどころか,どのような基準で考えてもこれらを美味しいと思うやつは味覚がおかしい.
勿論アジアでパクチーはそれなりに使われる,スタバもアメリカ人のバカ舌なら仕方がないが,それをありがたがる日本人もバカ舌である.
しかし,ありがたがるバカ舌の理屈もわかる.
- どちらも日本人古来の嗜好とは合わないはず
- 話題になったから試したが,決して美味しいものではない
- でもここまで話題になるのは私の舌がおかしいの?
- 「大好き」という奴らが大きい顔をし始める
- 「美味しく思うのが当然,なじめないのは貧乏舌」の雰囲気が出始める
- 世間一般に広まる
かつてアメリカのコーヒーは酷かった.と言っても薄すぎるので,不味くもなかった.見た目で紅茶と違いが分からないぐらい薄かった.1990年代にユナイテッド航空のコーヒーが鳴り物入りでスタバになった.当時日本にはまだスタバはなかったと思う.
あまりのまずさに驚いた.とてつもなく焦げ臭い,とてつもなく苦い,とてつもなく熱い.美味しく飲める欧州のコーヒーとは全く違う.
スタバはヨーロッパに行ったバカ舌アメリカ人が,あまりにもアメリカのコーヒーと違い美味しいヨーロッパのコーヒーを再現したらしいが,あんなクソ不味いコーヒー,1930年代の南イタリアぐらいしか無いよ.
「NYではイタリアン,イタリアではシティ」って言葉知ってるか?
パクチーもカメムシで遊んだことの有る多くの日本人男子には嫌な思い出でしか無い.
ところがカメムシをいじったことのない一部の女子がアジアで味を覚えて日本で騒ぎ立て始めた.あたかも「アジアのソウルフードよ」みたいな.
最近ではパクチー大盛りやパクチー料理専門店も出始めた.
これに異を唱えているのがアジア人.
たしかにパクチーは使うが,添え物であって決してメインにはならない.フライの添え物のパセリ感覚.それをメインに食べるなんてありえない,と異口同音で言う.
あたくしもベトナムへ行って驚いたのが「殆んどパクチーが使われていない」
こと.いえもちろん殆どの料理には使うけど,葉っぱ一枚程度.春巻なんかむしろペパーミントがどっさり入っていた.
日本の複数のベトナム料理店でも「現地ではそんなに使わないのですけどね」という反応.
どちらもいわゆる「文化の暴走」でしょう.「本来現地では」が,「現地を知らない」バカ舌に好まれて変な方向に暴走し,現地の人間が顰め面する内容になる.
「美味しいよね」と同意を求められても,現地の人間に「あたくしは苦手なんだ」と言われる.
世界一美味しいコーヒーが飲みたければドイツに行きなさい.スタバのコーヒーが不味いと思える人間になりなさい.それがグルメというもの.