2016年12月23日金曜日

マダム・フローレンス 夢見るふたり☆☆☆☆☆

2016年12月20日 マダム・フローレンス 夢見るふたり☆☆☆☆☆

特定の人物の伝記映画が同じ頃にたくさん作られるというのは今までにもあった.
10年ほど前にはカラスの作品が続けて作られた.その後シャネル,昨年はサン=ローラン,そして今年はF F ジェンキンス.
フランスの作品が上映され,舞台が上演され,この映画.
まさか泣かされるとは思わなかった感動作.強いて言えばメリル・ストリープの歌唱が上手すぎることか.
裕福な親の決めた結婚を断わり,年上の男と駆け落ちをして勘当され,しかもその男から当時は不治の病である梅毒を感染され,ペニシリンが発売される前の怪しげな水銀と砒素の治療で頭髪を失い,左手が不自由になりピアノを諦める.離婚したことから親に許され帰郷.父親が死に莫大な遺産を相続するとNYのホテルぐらし,マダームな生活へ.シンクレア・ベイフィールドと知り合い事実婚.
ヴェルディ・クラブと言う名の社交クラブを作り,コンサートで金を集めては若い芸術家を支援していた.
たまに歌っていたけど聴いているのはクラブメンバーだけだから実害はなかった.
彼女は愛国者だし傷病兵を「the boys」と呼ぶほど慈愛に満ちた人.発奮してピアニスト,コズメを雇い,メトの副指揮者を呼んで練習に励む.ピアニストも困惑するが,天才的に合わせるのがうまかったし,マダムの「音楽に対する愛情だけは」感心していた.
カーネギーホールを貸し切ってクラブメンバーと退役軍人を集める.批評家はNYポスト以外買収済み.ところがNYポストの批評家が紛れ込んで翌日酷評を書く.
シンクレアとコズメはNY中のNYポストを買い占めるが,ひょんなことからマダムが読んでしまう.失神.
そしてしばらくしてマダムは亡くなった.
マダムの音楽に対する愛情は「梅毒で何時死ぬかわからない」恐怖から来るのかしら.医者にも「この病気で50年以上生きた例を知らない

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