2018年12月10日月曜日

蒼海わたる人々

さて,こんなところに.
 目的地はサンリオランドでもなく,パルテノン多摩でもありません.
ここです.
こんなのやってました.
この施設そのものは古墳や遺跡からの発掘物研究機関なのですが,今回は伊豆七島並びに小笠原の先史時代に関するものです.
八丈までは,明らかに縄文文化から始まってますが,小笠原慶南はミクロネシアの文化と考えられています.

通常日本などでは土器や陶器で編年できます.形や模様を見れば大体の産地や時代が推測できます.
ところが,陶土の無いポリネシア東側では編年に使えるものがありませんでした.そこで,釣り針の形から編年を試みたのがビショップ博物館の篠遠善彦センセでした.
ポリネシアにはカタマランによる遠洋航海技術がありましたが,現代では途絶えてしまっていました.ポリネシア航海協会はその航海術を復元すべく,今もなおスターナビゲーションシステムを持っていたミクロネシアの航海術を応用し新たにハワイアンウェイファインディングシステムを作り,ポリネシア諸島間の航海,はては日本にまで来ることができました.
最もミクロネシアのシステムは,短距離のもので,長距離用のシステムはビショップ博物館のプラネタリウムで作られたということです.
海洋博にスターナビゲーションの本家,サタワル島から沖縄まで来たチェチェメニ号も「ひたすら北極星を目指せば日本のどこかにぶつかる」程度であったという説もあります.



規模は小さかったけど,とても興味深い展示でした.

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