2020年9月4日 リスタートはただいまのあとで☆☆☆☆
今月次々に公開されるBL映画第一段.
景色のよろしい豊洲のシネコンへ行ってまいりました.
映画の前に原作の漫画をKindle版で読みました.結構泣かされました.でも,「叶うことのないBL恋愛映画」ではなく「距離無しのようで壁を感じる施設育ちの同性を好きになったことの苦悩」です.
高校から東京で生活し,会社員になり,クビになって,ほぼ10年ぶりに故郷の長野に帰ってきた光臣.迎えに出たのは全く面識のない大和.大和に名前を呼び捨てにされ,距離無しに戸惑う光臣.
実家に戻ると,かつて自分が所属していたコミュニティには大和がすっかり馴染んでいる.自分の両親も含めて.
聞けば,以前から施設訪問や週末里親をしていた「熊井のじいちゃん」が養子に迎えたのが大和.高校もじいちゃんの援助で出たようだ.高校卒業後じいちゃんの農業を手伝っている.
「どうせ暇なんだから」とじいちゃんの農作業を手伝わされる光臣.
「鬱陶しい」「距離無し」に苛つきながらも大和との距離が縮まる.
この辺りは原作のほうがうまく画いてます.
そんなときに,じいちゃんが怪我して入院.幸い大したことはなかったものの,大和の落ち込みは激しい「俺にはじいちゃんしかいないから」光臣はこのときに恋に落ちたんでしょうね.
この付近から光臣は大和が「高校の同級生」や「施設の友人」と仲良くしていると露骨に嫉妬する.
そして大和の家で飲んで寝落ちし,目が覚めた光臣は大和にキスする.
で,色々あって,光臣は父親の職業「指物師」を次ぐ決意をし,大和は「俺も向き合わなきゃ」と光臣を誘って東京へ.
自分が捨てられていた東京の区役所で戸籍を調査するが何もわからない.
たまたまその話を聞いてた古参の職員が「君が公園で拾われたとき,私が担当したんです」「新品のタオルにくるまれ,中にメモ用紙があって「大和」と」
その公園で「自分の名前は施設か役所がつけたと思ってた」
「大和」
「もう一度呼んで」
「大和」
感極まって泣き崩れる大和.ここの演技最高でした.基本ヘラヘラ笑っているだけの大和が突然号泣するんです.
ま,色々あるけど,最後のキスシーンがきれいです.
はっきり言って原作の漫画のほうが出来は良いです.特に映画では大和が光臣に惹かれていく過程がほとんどわかりません.原作では光臣への気持ちが「心の声」として出てきます.
上映館数少ないです.多分そんなに長く上映されません.お見逃しなく.
ただ,BL系で一番リヤルだったのは2015年公開の「エイプリルフールズ」で窪田正孝演じる大学生が「冗談で」「俺もゲイ」と告白された友人と「咄嗟にエッチする」場面かな?男同士なんて「挨拶の前にエッチ」が普通ですから.
ま,いいじゃない眼福なんだから.
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