2011年1月30日 イリス☆☆☆☆☆ 於 東京芸術劇場大ホール
まず池袋へ早めに向かい,東武,西武,ルミネ,ホテルメトロポリタンとハシゴして花屋を物色.切り花は東武が一番多かったから「すみません,芸劇の出演者用に花束をお願いしたいんですけど,アイリスがテーマなんですけどこの時期アイリスなんか無いでしょうから,他の花で」と言ったら,
「アイリスありますよ」と言うことなのでアイリス中心に,スイートピーとチューリップを混ぜた花束を作ってくださった.おまけに「芸劇の楽屋口は裏側です」と教えてくださったので,楽屋口へ行くと,
「渡す相手がわかっているなら自分で持って行って」ヲイヲイセキュリティは?で,エレベーターで楽屋へ上がって受付に「小川里美さんに渡してください.Esclarmondeと申します」と渡して,あたくしは劇場内へ.
ホワイエでハンナ姉さんに会いました.ハンナ姉さんは四半世紀前の初演を日生劇場で見ています.やはり「あの細い体でこの役歌えるの?」と言うことでしたが「大丈夫」と答えておきました.
今日の席はH列ですが,前のほうはピットのように座席が外されていて,おまけにオケが,その名の通り平土間(orchestra)に鎮座ましましているし,合唱がしばしばオケの前にまで来るので,音響的には最悪の席でした.しかし歌手の表情までがよく見えるので,演劇としての楽しみは二階,三階席以上.
歌手が皆さん演技もうまいのに驚き.日本人歌手は得てして演技が新派か歌舞伎になってしまうことが多く,サイトウキネンの「カルメル会修道女の対話」なんかがそうだったけど,最後の断頭台のシーンが臭くて臭くて見てられませんでした.同じオペラをストラスブールが上演したときは本当に涙を流しながら演技をしていて,「オペラ歌手といえど女優の端くれ」であることが思い知らされましたが.
今日は里美ちゃんの演技もよく見えました.川へ飛び込む前の茫然自失「なんで?」のところとか,死体となって流されていきやはり「なんで?」もの悲しいシーン,そして太陽だけはイリスを見捨てなかったという悲しくも嬉しいシーン.最後の太陽賛歌のところは歌わないけど長い時間注目されるシーン.突っ立っていても木偶の坊に見えてしまう.でもそこの演技がとてもうまかった.僅かな動きと表情だけで表現してました(実はあたくし的にはこのラストは,宙乗りの昇天が相応しいのではと考えているのですが,クリオネのようにはばたいて昇天するのが理想)
今日も泣かされました.やっぱりイリスが一番好きなオペラだ!!!
井上ミッチー,上演中も結構くすぐりが入っていて,自分も演技してるし,カーテンコール(カーテン無いけど)のときのドヤ顔が凄い!三幕始めのインストルメンタルのところだけ指揮棒使ってました.
そして,カーテンコール中オケから花束がミッチーに渡され,そして里美ちゃんへ・・あ,あれ,あたくしが贈った花束だ!感激.自分も参加しているような気になりました.
さて,物凄く感動したこのプロダクションですが・・・・・衣装だけは何とかして欲しい!
でも・・・次にイリスを見られるのは何時だろうか.尾高センセ!!!新国で上演して!!
追記
里美ちゃんが次に歌うべき作品は「青鬚公の城」「マクロプロス事件」だと思うの.あと,イゾルデやブリュンヒルデも夢じゃないと思う.