2012年1月9日月曜日

ミラノ,愛に生きる☆☆☆☆☆

2012年1月9日 ミラノ,愛に生きる☆☆☆☆☆

改装が終わったBunkamura,その中の映画館「ル・シネマ」のオープニング作品.製作にはデアゴスティーニも関わっているみたい.
素晴らしい作品という訳ではありません.冗長だし,やたら展開は遅いし.でもどういうわけか,あたくしには響いてくる物があったのです.
ロシア人の絵画修復家の娘エンマは,ロシアに骨董品収集に来た,イタリアのテキスタイルメーカーの御曹司,タンクレディと知り合い,結婚するためイタリアに来た.そして数十年,子供たちは成長し,伴侶を持ち,会社を継ぐ.その長男の友人はイタリア料理店のシェフ.まずその料理にやられてしまう.そしてついには息子の友人と禁断の関係に.
この履歴だと,エンマは冷戦時代に西側に渡ってきた事になる,そして,実際イタリアに来てから一度もロシアには帰らなかった.
この映画の良いところは,「テキスタイルメーカー」「ロシア人」「禁断の恋」と言った内容を,さりげなく匂わせて「ああ,やっぱりそうだったのか」となるところ.
デレク・ジャーマンのミューズだったティルダ・スウィントン,久しぶりに見るマリサ・ベレンソン, きれいでした.
北イタリアの美しい風景,ナイチンゲールやクロウタドリの声,ヨーロッパに帰りたくなる作品です.
やっと全席指定になったル・シネマ,館内放送は以前のまま.いずれにしても,今時,こことシネスイッチ銀座が「昭和の香りのアートシネマ」両巨頭でしょうか.
イメージフォーラムとかユーロスペースもありますね.

追記:音楽はジョン・アダムズの既成曲から充当されていますが,とても美味い具合に使われています.

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