2016年5月25日水曜日

殿,利息でござる

2016年5月24日 殿.利息でござる☆☆☆☆☆

現宮城県黒川郡にあった奥州街道の吉岡宿,年貢だけでなく伝馬役まで仰せつかっていたため,人々は辛酸を舐めていた,夜逃げするもの多数で村の存続さえ怪しく.篤平治と十三郎はなんとかしようと妙案を出す.
藩にお金を貸し付け,その利息で伝馬役を賄う.
篤平治は「こんな馬鹿げた話,誰かがどこかで止める」と思いきや,商人も,肝いりも,大肝いりも涙を流して「人々のため,なんとかしよう」と賛成する.
なけなしの不動産を売り,家財を売り金を作る.噂を聞いて賛同するものも現れる.
それどころか,大寒までもが落涙して感動する.
で,8年かけてお金を貯めて,藩に貸し付ける.以降,宿場の人口は安定し栄えた.
と言う話にまつわる悲喜交々が面白おかしく,そして感動的に描かれます.
落涙必死です.
一番の守銭奴,ケチ,吝嗇と言われていた造り酒屋浅野屋の先代が一番町の事を考えていたとか,浅野屋の長男がなぜ穀田屋に養子に出されたのかとか,全てが感動話.
この話を後世に残すべく寺の住職が「国恩記」として詳細に記してあり,それを歴史家の磯田道史が,東大図書館で滂沱しながら読んで書かれた「無私の日本人」が原作.
泣けますがすっきりします.おすすめです.

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