2019年6月15日 ヘンゼルとグレーテル☆☆☆☆ 於 日生劇場
ヘンゼル・・・・・・・・郷家 暁子
グレーテル・・・・・・・小林沙羅
父・・・・・・・・・・・池田真己
母・・・・・・・・・・・藤井麻美
魔女・・・・・・・・・・角田和弘
サンドマン他・・・・・・宮地江奈
指揮・・・・・・・・・・角田鋼亮
演奏・・・・・・・・・・新日本フィルハーモニー交響楽団
10年前,やはり同じ日生劇場で,ブレーメンと共同制作とかいう「ヘンゼルとグレーテル」を見たのだけど,これが,当時のメトのプロダクションの焼き直しというか,当時の流行りの被り物を使った面白くないものだったから,しばらく遠慮していたら,次の2013年からこのプロダクションに変わったみたい.大成功じゃない.
演出が広崎うらんということで変なダンスになってないかと不安もあったのだけど,全くの思い過ごし.
後期ロマン派最大,世紀の一発屋,エンゲルベルト・フンパーディンクのこの作品,あたくしは胆は「パントマイム」と思ってます.
嘗てのメトの(フリッカとブレゲンが主演)天使が舞い降りるシーンが美しかった.最も心に残っているのは2007年に撮影されたデッサウのアンハルト劇場のフェルゼンシュタイン演出.ネットに映像が残ってないのだけど,LED照明のついた階段が出てきて,世界各国の衣装を着けた子どもたちが14人降りてくる,戦闘は着物姿の女の子.それだけで涙が出る.
で,今回の演出,序曲とともに幕が上がり,サンドマンとおばけたち(千と千尋の神隠しテイスト)がうろうろ.あらーと思ったけど始まれば極普通の演出.
妙なところにワイヤーが有るけど,照明なのかしら?マイクなのかしら?
で,美しい「夕べの祈り」の後,出てきましたよおばけが.あらーそう来るか?と思ったけど,おばけはいつの間にか美しい天使に変身,子どもたちを見守ります.
要は半裸の男子が見られたからなんだけど.泣きそうになりましたよ.
終幕,奥からせり上がるお菓子の家.さて,魔女は男子が演じるのはデッサウと同じ.ワイヤーはこの魔女が箒に乗って宙乗り(人形)するためのものでした.
最後開放された子どもたちの踊りと歌も可愛かった.最後の歌に涙が止まりませんでした.
日本語訳も不自然ではなかったし,観客の子どもたちが大喜びしてた.
でね,このプロダクション,新国で買い取って地方公演に使ったら良いと思うの.
欧米では「ヘンゼル」や「魔笛」を子供向けに作って「次世代の観客」を作ることを普通にやってるし,劇団四季も同じ.新国も観客の高齢化が問題なのだから,新世代の観客勧誘をしなければ.
現在はそういう役目は東欧の歌劇場がやってるけど,チェコやハンガリーの劇場に「トスカ」だの「トゥーランドット」だのやってほしくない.せっかく来るなら「売られた花嫁」とか「利口な女狐の物語」とかやってほしい.でもこういう作品は一般受けしないから.ヘンゼルのような作品を日本語上演すれば興味を持つ人は多いと思う.
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