2007年4月21日新国立劇場 西部の娘☆☆☆☆於 新国立劇場オペラ劇場
ミニー・・・・・・・・・・・・・・ステファニー・フリーデジャック・・・・・・・・・・・・・ルチオ・ガッロ
ディック・・・・・・・・・・・・・アティッラ・B・キッシュ
指揮・・・・・・・・・・・・・・・ウルフ・シルマー
演奏・・・・・・・・・・・・・・・東京フィルハーモニー交響楽団
プッチーニの作品の中で「存在価値不明」な作品で,ハイライトはおろか,全く見たことも聴いたこともない作品.キャロル・ヴァネスがキャンセルした段階で かなり萎え.イタリア歌劇かなにかのモノクロ映像をNHKで,ポーカーの場面だけ見たような.あれはテバルディだったか?
ところが,びっくりしました.なにしろ,ミニーと下女以外全て男声という萎えーーな作品で,一幕二幕と眠かったのに,三幕になったら面白い面白い.
それより,プッチーニのトロ味の効いた大音響の音楽を,なんと東フィルが素晴らしい演奏で聴かせてくれたことに驚き.星のうち二つは東フィルと指揮者にあげます.
で,舞台は,オペラカーテンもなく,暗転幕が上がると,そこには全ての幕を取っ払った舞台に段ボール箱が数百.よく見ればホリゾントの大黒幕も黒く塗った段ボール.
この段ボールが,段ボールシェアナンバーワンのレンゴー が特別に作った段ボールで,人が乗って演技しても平気な強度と,消防法をクリアした難燃性を兼ね備える物.
そして,東西幕も袖幕も全て取っ払っているので,下手舞台から上手舞台まで丸見えで,袖舞台の奥の方まで段ボールが積み上げてある.通常なら見えないバトン近くの通路なんかが丸見えです.かつて「ルル」のときに同じような設定であったことが思い出されます.
一幕の男達とミニーのやりとりは,後のトゥーランドットの「ピン・ポン・パン」を思い起こさせます.
そして二幕でポーカーのシーン.三幕になって舞台はヒートアップ,ディックを救いに来たミニーはまるで「ホヨトーホ」と歌うワルキューレのよう.そしてハッピーエンド.
いやー予想以上に面白かった.
東フィルがあまりにも吼えるからミニーの声が聞こえにくかったのが少々難有り.
でも,出来不出来の激しいこのオケからこれだけの音を引き出したシルマーは凄い!
再演希望
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