2015年12月29日火曜日

海難1890☆☆☆

2015年12月29日 海難1890☆☆☆

歴史に名高いトルコの軍艦エルトゥールル号の海難救助の物語と,イラン・イラク戦争次のトルコ航空による「日本人救出作戦」を描いた映画.これだけでも涙が出てくるのに,んーーーーな部分が.
映画自体はストーリーもよくできているし,カットも美しい.だけどね,会話のシーンがダメダメなの.まるで歌舞伎か浪花節か文楽の切り場よ.
重要なシーンでは緊急事態なのに全員が手を止めて立ち尽し,主人公達の会話を眺めている.主人公達は見得を切って柝がチョーンと入りそうな会話を始める(BGMは竹本連中ね).一事が万事その調子.目の前に息も絶え絶えの海難被災者がいても,フセインの無差別攻撃が今にも始まるという時も,全員立ち尽して主人公達が見得を切るのを待っている.「暫く,あいや暫く・・・・・チョーン,しばーらーくー」みたいな.
緊張感ゼロ.
この監督さん歌舞伎の専門家なの??
遭難者を裸で暖めるというのは当時の間隔では普通なのでは?そんな躊ったり,羞じたりすることかしら(ここも柝いれてね)
かなりもったいない映画でした.
感動できるシーンはいくらでもあります.
仏教式で正装する村の顔役たちと日本人僧侶が,イスラムの聖職者と合同葬儀をするシーン.引き上げられた遺品を自発的に清拭,修理する奥様方のシーン.ドイツの船で神戸の医療施設に送られるトルコ兵と地元漁民との別れのシーン.
一方,イライラ戦争では,陸上移動での避難が可能な自国民を差し置いて「日本人避難民」を優先して助けたことに,トルコ国民から首相あてに多くの電話があったが,「称讃するものばかりで抗議は一つもなかった」と言うところは涙腺崩壊します.
エンドクレジット後にトルコ大統領のメッセージが入ります.
なお当時国際線は日航のみが運行していたが(チャーターを除く),救助要請に機長や乗務員の「組合」が「安全が保証されないこと」を理由に搭乗を拒否.ま,今に至るまで日航の組合はクソですけど.マタハラ自演とか.
当時の法律では自衛隊機を飛ばすにも国会の承認が必要,なおかつイラクまでダイレクトに飛べる航空機もなかった.48時間での救出は無理だった.
現在は地球の何処でも直行できる政府専用機(B-744)を日本国民救助のために飛ばすことができるので大丈夫です.
エンドクレジットには「エルトゥールル号受難碑」を掃除する日本人の子供たちの姿も出てきます.

0 件のコメント: