2015年12月27日日曜日

リザとキツネと恋する死者たち☆☆☆☆☆

2015年12月26日 リザとキツネと恋する死者たち☆☆☆☆☆


久しぶりの脱力系コメディー.
時代は1970年代,ブダペストに住むアラサーのリザは「在ハンガリー日本大使未亡人 田中マルタ」の介護を12年に渡りしていた.リザの楽しみは日本語の小説「虹色の空の下」を読むことと,すでに故人となった日本の人気歌手「トミー谷」の曲を聞くこと.
6年前からこのアパートには,リザにしか見えないトミー谷の亡霊が出るけど,リザはそれも楽しんでいた.
そんな時マルタが亡くなる.親族はリザによる「遺産狙いの殺人」を疑い,実際アパートはリザに残された.
一人になったリザは日本の小説にあるように「30才の誕生日に永遠の恋人に出会う」ことを目指して恋人を探そうとする.しかし,リザに好意を寄せた人は尽く死ぬ.
そんなこんなでお金に困ったリザは,田舎から出てきたばかりで住むところのないフィンランド語の歌が好きなゾルタン刑事を下宿人にする,警察はゾルタンにリザの監視を命じる.
リザにはどうやら九尾の狐が取り付いていて,そのキツネの呪いで男が死ぬらしいと解る.呪いを解くためには「無私の愛で愛される」必要がある.その間にも次々と死ぬリザの周りの男.
ゾルタンも,ボイラーを修理すれば吹き出した炎で火傷,電気を直せば感電,トイレを直せば転倒と満身創痍.
リザは妙な誤解から,色事師ヘンリクを愛するようになるが死亡.絶望したリザは睡眠薬を飲む.その夢のなかで見たものは
ーーーーーーーーーーーーーネタバレーーーーーーーーーーーーー
実はトミー谷の亡霊は死神で,リザを愛し,ふたりだけの世界を作るため男達を殺し,絶望してリザが自殺するのを待っていた.
しかし,家の修理をしていたのがゾルタンとわかるとリザはトミー谷を拒否.ゾルタンは不穏な空気を感じてリザのもとに走る・・・・・が,途中でシャンデリアが落ちてくる,ころんだ拍子に自分の左手を撃ちぬく,ギリギリでリザの飲んだ睡眠薬を吐かせ助ける.

ふたりは結婚し娘が生まれ日本旅行をするが,車はエンコしてレッカー移動.その車の後ろにはトミー谷の姿が.

トミーが歌うのは20世紀グループサウンズっぽい軽快な音楽.適当に英語の入った(「弾むビート」とか「響くリズム」みたいな)ありそうな日本語の歌詞.
実は全てハンガリーで作られたもの.
トミーを演じているのは日系デンマーク人,デヴィッド・サクライ.日本にも10年ぐらいいたはずなのに,日本語はかなり下手.
あたくしが唯一知っているハンガリー語はjó reggelt(おはよう)だけど,ゾルタンがリザのためにしつこいほど勉強するシーンが面白い.
トミーとリザの対決シーンは「インセプション」並のCGです.
トニー谷を知っている世代にはなおさら面白い.

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