2011年7月26日火曜日

海洋天堂☆☆☆☆☆

2011年7月26日 海洋天堂☆☆☆☆☆

エンドクレジットに「平凡にして偉大なる,全ての父と母へ」と出ます.
あたくしも何本見たか記憶にないぐらい映画見ているし,(学生時代は年間200本ぐらい見てた)お涙頂戴作品も,数多拝見してます.で,そういうジメジメした作品が大嫌いなんだけど,ちょっと毛色の違うこの作品を見てきました.
泣きました.人生で一番泣いた映画です.でも,泣かせようというえげつないシーンはありません.淡々と,時に愉快に話は進みます.
アクションスターのジェット・リーが,冴えない中年男を見事に演じてます.
冒頭,リー演じる王心誠と,21才になる自閉症の息子大福が,海の上でボートに乗ってます.脳天気に明るい音楽.「行こうか?」二人は足を縄で結び,重りをつけて海に飛び込みます.しかし,泳ぎのうまい大福のために,無理心中は失敗.
王さんは奥さんに死なれてから一人で大福を育てた.水族館で仕事をしているけど,館長の配慮で,大福を連れてきても良い事になっている.大福は,空いた時間に水族館の水槽で泳ぐのを,何よりも楽しみにしている.
ところが王さん,末期の肝臓癌である事が解る.残された時間は少ない.息子の行く末を決めなければ.王さんの格闘が始まります.施設を探したり,自立を促して大福を調教したり.でもね,お父さん,なんでもっと早く調教始めなかったの?お父さんが先に逝く確率のほうが高いんだよ.まるでタオパンパ(GGRKS)じゃないか.
で,何とか大福が一生暮らせるであろう施設も決まり,一人で出来るかな?と言うときに王さんは亡くなります.水族館の館長さんが,施設の園長さんに「今後も大福は水族館で過ごせるようにします」と言い,大福の服に縫い付けている名札「王大福 血液型B 自閉症 緊急連絡先」に自分の名前を入れるように言います.
今ここまで書いていても涙が止まりません.
湿っぽくない映画です.ぜひ見て下さい.
大福役の文章(名前ね,中国人の)の演技が物凄く良いです.この手の演技では「ギルバート・グレイプ」のレオナルド・ディ・カプリオがありますが,それをしのぐ名演です.
施設に入り,環境が変わりパニックを起こす.父親が呼ばれる.その父親にすがって声を上げて泣き叫ぶところ.父親が清掃作業を教えているとき,あまりにも物覚えが悪いので,珍しく王さんが声を荒げてしまったとき,無言でポロポロ涙を流すところ.もう嗚咽どころではありませんでした.
王さんにも,大福にも,心温まるロマンスのエピソードもあったりして.
お勧めです.ぜひ見て泣いて下さい.

追記 テクニカラー現像所って北京にもあるのね.
もう一つ追記 音楽 久石譲です.良いです.

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