2013年1月19日 ファーストポジション☆☆☆☆☆
バレエ映画って,ドラマもドキュメンタリーも感動したことが殆どありません.唯一バリシニコフが出た「愛と喝采の日々」が良い作品でした.
この作品は,アメリカのバレエコンクール「ユースアメリカングランプリ」に出場する七人のおこちゃまダンサーを捕らえたドキュメンタリーです.世界中で行われる予選からニューヨークで行われる決勝まで.
何しろアメリカ人が殆どですが,当然「我が子が一番」モンペまがいも多いです.
さて,米軍の医師だけど,息子のバレエのために転勤を断り,そのかわりにクウェートへ単身赴任もしたパパ,息子の教師はデニス・ガニオ(映画の中でも発音されてたけど,ドゥニ・ガニオだろう)「バレエ教師が天才に会えるのは,生涯に一人か二人,彼はその一人.もう一人は息子のマチュー.20才でオペラ座のエトワールになった」
この子アラン・ベルは撮影当時11才,完璧なテクニックと表現力を持ってます.段違いでうまいです.近い将来大物になるのでは無いでしょうか.
シエラレオネからアメリカ人夫婦の養女になったミケーラは,黒人独特の筋肉質と色素異常の白斑とハンディキャップを持ちながら,柔らかい体と見事なバランスで審査員を驚かせます.特に足を振り上げたまましばらくバランスで立ってから回るイタリアンフェテは見ものです.
日本人の母親を持つミコとJJ姉弟は,今でこそ教育ママだけど,単に娘の躾の一環としてはじめさせたバレエ,母は当時「ファーストポジション」と言う単語すら知らなかった.コンクールの時は日本から取り寄せた「おこちゃま用つけまつげ」でミコに化粧をする.JJは予選を通過する物の,急速にバレエへの情熱が無くなり,やめてします.「バレエをやらないならハーバードかMIT」と大量の参考書を与える母.
ABTのコロンビア人ダンサーに見いだされアメリカに連れて来られたジョアン,母親はバレエダンサーを断念した.「ここにバレエダンサーが生きていく道は無い」と子供を送り出した.将来はロイヤルで踊るのが夢.
最終的にアランは男子の部の金メダルを逃すが・・・・・最優秀賞でした.
ミケーラはABTのバレエ学校に入学が決まり,ジョアンはロイヤルバレエ学校へ.
監督がダンサー出身なのでカットや音楽の当て方が非常にうまいです.
もちろん失敗のシーンも,傷だらけ,タコだらけ,豆だらけの汚いダンサーの生足も残酷に撮します.
それにしても今のダンサーは180度どころか,270度まで開くのね.
追記
日系人のミコちゃん,今年の(2013)ローザンヌで賞を取りました.
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