2013年6月29日 夜叉ヶ池☆☆☆☆ 於 新国立劇場中劇場
白雪・・・・・・・・・・・腰越満美
百合・・・・・・・・・・・砂川涼子
晃・・・・・・・・・・・・西村 悟
学円・・・・・・・・・・・宮本益光
指揮・・・・・・・・・・・十束尚宏
演奏・・・・・・・・・・・東京フィルハーモニー交響楽団
毎度ながらの新国委嘱作品.珍しく「音楽」になっている作品.演出にもう少し工夫があれば面白かったかも.盆を回して場面展開だから,割と転換は早くできるか.
この作品は篠田正浩の映画でしか見た事は無いのだけど.この作品は封印されているとかでDVD化されていないはず.もっとも,契約でがんじがらめになって新作を作ることができない冨田勲を持ち出して,旧作だけの音楽で繋いだ「トンデモ音楽」と,無駄に豪華にラストシーンがイグアスの滝だったのは覚えているけど.当時やっと日本でも使われるようになったPanavisionのカメラを二台も使用したとか.
幕が開くと白雪が「剣が峰に会いたい」と我が儘.結髪はどう見ても「モンゴルの正装風」そして,百合達が出るというのは尤もな展開.
音楽はきれい.ツィマーマンのような雑音系ではなく,むしろ印象派の発展系のような音楽で心地よい感じ.ただし,日本語が乗ってこないのよね.なんか無理な日本語訳みたいな感じ.
映画だといきなり場面転換して姫様(ひーさま)と眷属のシーンになってもおかしくないけど,ここの転換も良い感じでした.
さて,最後に膿家な村人達が迫る中,百合は髪を解き(ジゼルか?)白雪の来歴を語り自害する.このシーン戯曲や映画では晃の台詞なのですが,これは有りでしょう.
さて,洪水のシーン,盆に載った奥舞台がそのまま奥へ流れながら沈む,実にスペクタクルなシーンなのですが,そこから後のシーンがちょっとお粗末かな.
最後の「お百合さん,お百合さん,一緒に唄をうたいましょうね」は感動的でした.
歌手がみんな演技もできているのが良かった.
愛怨以来久しぶりに「もう一度みたい演目」でした.
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