2014年3月28日金曜日

デジカメ

デジカメを買い換えました.今まで使っていたカメラはCasioのとても使いやすいモデルでした.しかし,三年使ってそろそろガタが来て,修理の見積もりをしたら,新しく買ったほうが良いような値段でした.
あたくしがデジカメに要求する機能はただ一つ,GPSです.
バスや電車で旅行したときに「どういう経路だったか後で確認する」のにとても便利なんです.
GPS情報があれば,画像をアップロードするだけで,こんな事が出来るんです.
ところが,現在,GPS機能が付いているデジカメは殆どありません.アウトドア系の「タフ」な機種だけです.
で,色々考えて,二月末に出たばかりなのに,値段がこなれている,オリンパスのこの機種.
特に高機能ではありませんが,必要な機能は全て備えています.防水ですが,恐らく水中で撮ることはないでしょう.
肝心のGPS,定期的にアシストGPSのデータを更新する必要はありますが,コールドスタートでも約1分で補足してくれます.そのあと「ログを取る」設定にしておけば,ホットスタートで,4-5秒で補足してくれます.
さて,なんで「GPS機能の付いたデジカメが衰退したのか?」カメラ屋さんに聞いたら「需要がない」とのこと.
確かにGPS情報の付いた写真を楽しむためにはPCが無いときついかも知れません.
で,デジカメユーザーのかなりがPC持ってないんです.(だからあれだけの人がプリント機でプリントアウトしてるのよね)スマホも同じ.
そいつらにGPSなんて豚に真珠なんですね.iPhoneユーザーだってPC持ってないほうが多いみたいですよ.
「スマホは進化した携帯ではなく,通話機能を持ったPC」なんですけどね.
先日見た記事も「iPhoneを修理に出したらしばらくして戻ってきた,電源入れたらAppleからメールが来てて「修理は有償××円かかります,それでも修理するなら連絡して」
そのDQNは「iPhone修理に出してるのにメール読めるわけ無いだろ」
レスは「iPhone以外にメール読む手段無かったの?バックアップどうしてるの?もしかしてiPhone落としたら,住所録無くす人?」
あたくしは携帯の回線持ってますが携帯のメアド持ってません.全てのメールは一つのメアドに統合され,iPhone,ガラケー,PCどこからでも読めます.住所録も予定表もクラウドからダウンロードしてるから,iPhone無くしても(経済的以外に)ダメージありません.
だからこそ「スマートフォン」なんだと思うのだけど.

2014年3月22日土曜日

野口哲哉展 野口哲哉の武者分類図鑑☆☆☆☆☆

2014年3月22日 野口哲哉の武者分類図鑑 於 練馬区立美術館☆☆☆☆☆

作品の発想が,あたくしの大好きな山口晃と同じフレーバーなのよ..
で,向かう途中つい「西武池袋線なう」なんてつぶやいていたら,友人の翠さんが「どちらに?」というので「練馬区立美術館」てつぶやいたら「すぐそばにいるので美術館の入り口で待ってます」ということで久しぶりに再会.二人でじっくり見て参りました.翠さんもお気に召したようです.
自転車に乗る武者,空を飛ぶ武者,タケコプターの武者,紗練家(しゃねるけ)の武者,愛猫用の甲冑,シャネルの模様に紛れ込んだランドルト環.
その合間に本物(なのかレプリカなのか)の甲冑や絵が飾ってあるから紛らわしくて面白い.最新作なのにうまい具合に「時代をつけて」あるのが面白い.
嘘八百もたくさん仕込んであるのでご注意.
練馬の後は京都の大山崎山荘に行ってしまうので,関東の皆さん4月6日までです.

死の都☆☆☆☆☆

2014年3月21日 死の都☆☆☆☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス

パウル・・・・・・・・・・トルステン・ケール
マリー/マリエッタ・・・・ミーガン・ミラー
フランク/フリッツ・・・・アントン・ケレミチェフ
マリー・・・・・・・・・・エマ・ハワード
指揮・・・・・・・・・・・ヤロスラフ・キズリンク
演奏・・・・・・・・・・・東京交響楽団


このプロダクション二度目.今回は主役二人も声を盛大に出していました.オケもデリカシーのない音を出すこともなく,席が下手側だったので,オルガンの音もよく聞こえました.
やはりこの作品は相当に声を使う作品ですね.蝶々さんよりもきついかも.

これだけの出来でも文句を言う人はいるようですが,所詮コルンゴルトは色物,際物の分類ですから,芸術としての価値を求めるのは間違いでしょう.
びわ湖,新国のプロダクションが上演され,新聞や雑誌でも公演評が載り,バイオリンコンチェルトなどの話も出てきますが,このVnCこそ「映画音楽の集大成」であって,コルンゴルトの「媚びた作品」だと思うのですが.
さて,前回も装置の軋みが気になったのですが,今回,降りてきて下の部分が手前に滑り込む予定のブラインドが,降りてきたまま止まってしまいました.

2014年3月20日木曜日

あなたを抱きしめる日まで☆☆☆☆☆

2014年3月20日 あなたを抱きしめる日まで☆☆☆☆☆

大体のストーリーは知ってました.「火遊びして妊娠した少女が修道院に押し込められ,子供アントニーは里子に出され幾星霜,年老いたフィロミナは今息子を探したいと思う」
で,ドロップアウトした元BBCの政治記者を巻き込んで,息子の行方は結構あっさり見つかる.アントニーは,アメリカ人の養子となり,共和党で大統領とも対等に話せる立場まで出世したが,AIDSですでに死亡していた.
この映画は基本的に「お婆さんとおっさんの珍道中」がメインで,お涙頂戴が目的ではないこと.そして,それでも泣けるのは,PCの画面を見た瞬間,「my Anthony」と解ってしまうこと,そして写真を何枚か見ただけで「自分の息子はゲイでAIDSで亡くなった」と理解してしまうこと.母親って凄いですね.
結局その後色々解って息子は自分の出自を誇っていたらしいことも解り,フィロミナは安堵する物の,落ちこぼれ記者は「赤ん坊の売買をして金を儲け,なおかつ親子の証が残っている書類を焼却して隠滅したり,カトリック修道院許せねえ」と憤りますが(その修道院の顧客には女優のジェーン・ラッセルもいました),敬虔なクリスチャンであるフィロミナは自らの罪を認めているし,「あなたたちを許します」と許してしまう.
最後に,なんてこった!と驚きますが,泣けますよ.
字幕でsmartを賢いと訳していました.smartには「賢い」「格好良い」の意味がありますが,あたくしは英語の先生に「英国ではsmartは絶対に外見のこと」と習ったので「格好良い」と訳したほうが良かったでしょう.

2014年3月16日日曜日

死の都☆☆☆☆☆

2014年3月15日 死の都☆☆☆☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス

パウル・・・・・・・・・・トルステン・ケール
マリー/マリエッタ・・・・ミーガン・ミラー
フランク/フリッツ・・・・アントン・ケレミチェフ
マリー・・・・・・・・・・エマ・ハワード
指揮・・・・・・・・・・・ヤロスラフ・キズリンク
演奏・・・・・・・・・・・東京交響楽団

レベルから言ったら,先週のびわ湖のほうが良かったと思います.ヘルシンキからのレンタルプロダクションなので,次はないでしょう.
マリーが演技しすぎで気になりましたが(ヘルシンキのバージョンではただ涙を流すだけ)終わってみればよい公演でした.
ケール,二幕途中で高音が不安定になりましたが,終幕では挽回してました.
先週のびわ湖も,ほとんどカットは無いと思ったけど,口笛のところとか無かったような.この公演では口笛もありました.
ただね,東響がちょっとデリカシーのない音を出していたのが.
一階席だと,コルンゴルトの大編成オケの音が上に行ってしまうので,出来れば二階席をお勧めします.
そのオケの音のカーテンを突き破ったのが先週のびわ湖でしたが,今回は少し声が弱かったようです.繰り返しますが終幕で挽回してました.

土竜の唄☆☆☆☆☆

2014年3月13日 土竜の唄☆☆☆☆☆

流石クドカン,結構尺長いのに,全く飽きません.
ヤクザを潰すために,違法行為ギリギリの潜入捜査を命じられた玲二,うまく潜入し,組の若頭に気に入られることに.そこから「バレるか,やれるか」のさや当てが始まります.
まー予想通りの展開に笑えますが,このテイストは,お気に召さない方もいるでしょう.
あたくしはクドカンが好きなので,この展開は笑えました.

ダラス・バイヤーズクラブ☆☆☆

2014年3月12日 ダラス・バイヤーズクラブ☆☆☆

気持ちはわかる.が,所詮アメリカ人の考えることはこの程度.以上.

2014年3月9日日曜日

偉大なるしゅららぼん☆☆☆☆☆

琵琶湖の帰りは京都のホテルに泊まりました.駅前のシネコンで,上映が始まったばかりの「偉大なるしゅららぼん」のレイトショーがあったので,びわ湖のパワーが消える前に見に行きました.
いやー「しゅららぼん」でした「思い切り「しゅららぼん」でした.想像以上に「しゅららぼん」でした.
岡田将生演じる『涼介」の情けなさ,妻夫木,竹野内に通じる情けなさです.
万城目学ですからあ,思い切り脱力しながら見ましょう.

死の都☆☆☆☆☆

2014年3月8日 死の都☆☆☆☆☆ 於 びわ湖ホール大ホール

パウル・・・・・・・・鈴木 准
マリー/マリエッタ・・砂川涼子
フランク・・・・・・・小森輝彦
ブリギッタ・・・・・・加納悦子
フリッツ・・・・・・・迎 肇聡
指揮・・・・・・・・・沼尻竜典
演奏・・・・・・・・・京都市交響楽団

本邦初演です.演奏会形式での上演はありますが,舞台に載るのは初めてです.CDやDVDはいくつもあるのですが,当然あたくしも実演は初めて見ます.ということで,ここびわ湖にも,東京からの遠征組が多く見られました.
まーーーー何という名演でしょう.
プッチーニ以上にうねる,大編成のオーケストラ(ピアノ,オルガン含む)が複雑に絡み合う音楽を京都市交響楽団が見事に演奏していました.
そして,それ以上に凄かったのが主役の二人です.かなり高音で,しかもスピントを効かせた歌唱を延々と続けるハードな役ですが,見事に歌いきりました.
装置は八百屋に作った,ありがちな部屋の風景.奥にはマリーの肖像画が.
一幕はこの部屋で進みます.マリエッタのアリアもここで.
二幕,開幕の一声の後,舞台は奥へ引っ込んで,奈落から「ラ・バヤデールの坂下り」みたいな装置が出てきます.
ピエロ達の場はここで.ピエロの歌も素晴らしかったです.
そして最後も部屋のシーンへ.幕切れはパウルが部屋を出ると言うところで終わってます.
さて,この曲大好きで良く聞くし,DVDも良く見ますが,好きなシーンばかり見たり途中をスキップしたり.
通しで見てみるともの凄く声に負担の大きい作品ですね.主役二人は見事に歌いきってました.しいて言えばベルカントオペラのように,客席に迎棒立ちで歌う演出が多かったように思いますが.これだけの声の饗宴があれば演技なんか良いでしょう.
来週から始まる新国の「死の都」との比較が楽しみです.

2014年3月7日金曜日

東京難民☆☆

2014年3月7日 東京難民☆☆

それなりに知能と知識があって,それなりの都市に暮らしている人間が,学生の身分からホームレスになるのはかなり難しいという話.
普通の学生がホームレスに堕ちるためには,

  • Fランクの大学を卒業するのも難しいぐらいの低い知能
  • 内容証明郵便の重要さが解らない程度の蒙昧さ
  • 義務も果たさないのに権利を主張する非常識さ
  • いい年こいて中二病真っ盛り
  • 衣食住よりタバコとパチンコ
  • 警察に喧嘩を売る度胸
これらを完備していないと難しいようです.で,全て備えたDQNの修くん,或る日突然大学のIDカードが使えなくなる.学生課に問い合わせると「学費未納で除籍」.アパートは「家賃未納でロックアウト」親父は失踪,自宅は競売済み.
で,まずはパチンコで何とかしようと思ってすっからかん.絵に描いたようなDQNですね.ネカフェ難民しながらバイトを探すけど,当然「日払い」バイトなんてろくな物が無い.やっとこさ治験のバイトが入り,大金貰ったら,すっかり気が大きくなり,ナンパされたお姉ちゃんに誘われてホストクラブで豪遊されてポイ.借金のカタにそこのホストクラブに勤める物も,中二病発症して数百万借金して飛ぶことに.せっかく太く育てたお姉ちゃんもソープに沈む羽目に.ついでホストクラブのケツ持ちに見つかってボコられて河川敷に捨てられ,ホームレスに拾われ何とか助かる.
これらのことがたったの半年で起こる.
殺されなかったのは殺す価値も無いダメ人間だから.物事の優先順位の底辺からこなすタイプ.だから自身も底辺.
まだ若いのにこいつも周りの人間も喫煙率が高い高い.今時DQN底辺以外はタバコなんて吸いませんよ.
確かに,土工のおじさんが言うように「一度道を外れた人間がやり直せない社会はおかしい」けど,知識も技術も経験もない人間に何が出来るの?日払いバイトで数百万「絶対返します」の根拠は?いくら中二病でも,自分が突拍子も無いこと言ってる自覚はないの?

2014年3月1日土曜日

王女メディアの物語☆☆☆☆

2014年3月1日 王女メディアの物語☆☆☆☆ 於 東京文化会館小ホール

たいらじょうの新作です.東京文化会館から「古楽とのコラボレーションを打診」されて作った作品だそうです.人形は全て段ボール.だけどとても生き生きしてます.
そういえばここの小ホール入るの初めてだ.ここのホールは室内楽や器楽,声楽のコンサートが多いので,「大音響好き」なあたくしは,入ったことがありませんでした.
で,たいらじょうはもの凄い才能を持った人だな,と再認識しました.
人形の動かし方,声の変化,どれをとっても一人芝居とは思えないうまさを感じます.
ただし,音楽が入った分,ちょっと長すぎたかな?古楽はほとんど聴かないのだけど,生で聴くと良い音楽ですね.いくら録音技術が進んだとは言え,あの「空気がリードを振るわせる感覚」は生でないと解りませんね.

ナクソス島のアリアドネ☆☆☆☆☆

2014年2月28日 新国立劇場オペラ研修所公演 ナクソス島のアリアドネ☆☆☆☆☆ 於 新国立劇場中劇場

アリアドネ・・・・・・・・・・・林 よう子
ツェルビネッタ・・・・・・・・・天羽明恵
精霊・・・・・・・・・・・・・・種谷典子
                藤井麻美
                原 瑠菜子
コメディアン・・・・・・・・・・村松恒矢
                岸浪愛学
                村松哲平
                小堀勇介
バッカス・・・・・・・・・・・・伊藤達人
指揮・・・・・・・・・・・・・・高橋直史
演奏・・・・・・・・・・・・・・ボロニア・チェンバーオーケストラ

なかなか面白い作品を見せてくれるオペラ研修所の公演.里美ちゃんと知り合ったのも,この公演で「ドンナ・エルヴィーラ」を歌った里美ちゃんをブログで誉めたところだったし,「カルメル会」は同時期に公演された藤原歌劇団より遙かに良かった,カルディヤックなんか本来オペラパレスに乗せるべき傑作だったし.もちろん残念な公演も多い.
あたくしはシュトラウスのオケの作品は大好きなのですが,オペラとの相性が悪く,「サロメ」と「エレクトラ」以外に感動したためしがない.この作品もオペラパレスで観たときは「ふ〜ん」程度だった.今回も見る予定はありませんでした.が,新国からのメールで「新規字幕システムのモニターやりませんか?」と言うのがあったので応募したら当たりました.オペラはご招待と言うことなので.
通常より早めに劇場に向かい,プロジェクターの使い方の説明を受けてから客席へ.
新規字幕システムはEPSONのMOVERIOと言う眼鏡型プロジェクターに字幕を投影する物で「どこを見ていても字幕が見える」というものです.
さて,この公演素晴らしし公演でした.演出は大がかりでは無い物の,盆を使い,しかも前後に動かす,オペラパレスの「ルサルカ」似たものでした.
まず歌手が凄い,男声,女声のアンサンブル,声が解け合って美しい美しい.誰一人飛び出さずかといって良く聞こえ,なんて美しいのかと驚きました.
男声の演技はどちらかと言うと若い人向きで,太ったおじさんには難しいかも知れないけど,今時の声楽家は見た目も ハァハァ(;´Д`)…ハァハァ感が強くてよろしい.個人的にはテノールの小堀勇介くんをペットに囲いたいなと思いました.
オケは胡散臭い名前ながらも,都内のプロオケからの寄せ集めと言うことで,かつてのナショナルフィルみたいな物か,演奏のレベルはもの凄く高かったです.
女声も本当に美しかった.最後の場面で盆が後ろに下がり,吊られたシャンデリアとLED照明が点灯されるとうっとり.見て良かった!な公演でした.
で,EPSONのプロジェクター

  • 重い.ノーズパッドが痛くなる
  • 字幕の廻りにうっすら枠が見えて気になる
  • 白文字で出るので,例えば東京リングのホワイトルームとか,ゼフィレッリアイーダの紗幕の時にどう見えるか不安
  • 客電が付いているときは映り込みが多くて鬱陶しい
  • MOVERIO用のWIFIネットワークが鍵かかってないので,ヲイヲイ大丈夫かよ?
等,まだまだ改良の余地はありそうだけど,使用後のアンケートにも「これの改良品があったら使いたいと思いますか?」だったから良しとしよう.
その後オニチョのいつものバーへ.楽しゅうございました.