2009年9月2日 ちゃんと伝える☆☆☆☆
物凄く良い題材を選んでいるのに,イマイチなのは,AKIRA扮する息子の「ファザコン」が強調されすぎていて,それだけでストーリーが完結しちゃってるからかしら.
父親が自分の高校の体育教師で,なおかつ,自分が所属するサッカー部の鬼コーチだった,史郎,何となく煙たくて最近はあまり話もしなかったのに,父親が癌だと知ると,突然はっちゃける.
毎日会社を抜け出しては病院にお見舞い.「元気になったら一緒に釣りをしよう」と言う話になる.
ところが,ついでに受けた検査で,史郎に癌が見つかり,しかも父親よりも危ないかもしれないと言うことに.
史郎は「親より先立つわけにはいかない」と父親の死を願う.で,幸い父親は史郎より早く死ぬのだけど,そこで終わっちゃうのよ,この映画.それぞれの登場人物がそれぞれ誰かに「ちゃんと伝え」なきゃいけないのに,何となく伝えられたのかなんだか??
尺も短いし,その後の史郎のこととか残された母親や婚約者のことなんかを少しでも出せばもう少し泣かせる映画になったのに,とにかく徹頭徹尾「ファザコン」な映画なのが惜しい.
「父親より早く死ぬわけにはいかない」という気持ちはわかるけど,母親の気落ちを考えるシーンは皆無.母親の息子に対する愛情は痛いほどわかるのに,この息子は「親爺一筋」.
クレジットに自分の父親へのトリビュートがあるから,監督さん自身が相当なファザコンだったのかしら.
前作,上映時間240分弱という超大作の「愛のむきだし」もファザコンっぽいような話だったように思うけど.
ExileのAkiraは「山形スクリーム」に続く出演で初主演.髪も切り,ヒゲも剃って,さらさらヘアの「草食系好男子」を好演してます.
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