2008年10月12日日曜日

火垂るの墓☆

2008年10月12日 火垂るの墓☆
岩波ホールで単館ロードショーの後のドサ廻り上映.思い切り早起きして田舎のシネコンの朝イチ上映に行きました.
ジブリのアニメ,「火垂るの墓」に少しでも思い入れのある人は見てはいけません.
まーーーー思いっきり神経逆撫でする映画です.制作は朝鮮人ですか?と思ったけど,一番嫌な役を朝鮮人の松坂慶子が演じているので,違うようです.
可愛そうに佐久間製菓も制作に参加してますが,頑なにドロップ缶のショットを出しません.まるで佐久間製菓に喧嘩売っているようです.
あっちこっちで「あ,ホタルや」というセリフが出てきますが,戦争当時の西宮でホタルはそんなに珍しかったのでしょうか?昭和30年代だったら世田谷や練馬でも普通に見られました.「ホタルだ」と言うセリフはワンシーズンに一回ぐらいしか使いません.
あの名作を,どういじったらこんなにイライラする作品にできるのでしょう.
アニメでは「4歳と14歳で、生きようと思った」二人が,もがいてもがく中で衰弱して死んでいく.そして当時はそんな子供を助ける余裕なんか誰にもなかった.誰も助けてあげられなかったもどかしさが涙を誘うのに.
この映画の清太も「サバイバル能力に欠ける」子なんだけど,アニメと違って全く共感できない.アニメだと「あー可愛そうに,親御さんが生きていたらこんな事には」と泣けてくるようなシーンも「ざまーみろ」と言いたくなる.
監督が若いせいか,この映画はリアリティゼロ,悲壮感ゼロ.
ジブリのアニメと同じような部分はさらーっと流しているのに,どうでも良い部分に思いっきり拘っています.
空襲で焼け出され,必死の思いで西宮のおばさんのところに逃げてきた清太と節子.近所に「即日帰郷」の女たらしフーテンがいるのだけど,「なぜか清太がこの男に興味津々なの」そう言う場合か?この男最後にリンチで死ぬのだけど,死体にしがみついたり.そして清太くんは喘息持ちの設定なのに,「な訳ゃないだろ」なタイミングで発作を起こすし.普段は良い子の節子も「絶妙のタイミング」で癇癪起こしてイライラさせるし,お兄ちゃんも,今そう言うことするか?なタイミングで節子を泣かせるし.ひもじさから盗みを働くシーンもあるのだけど,よりによってそんなガキからから食い物を盗むか?しかも鬼気迫る様子がないから「単なるカツアゲじゃない」
色々と張った伏線が全部「この後こういう展開になったらイライラする」風に展開するし.
ex 西宮の校長の娘が「歌を歌う自由もない」ような事を言って「めんこい仔馬」を歌い出す.その後,未亡人のおばさんに,夫が生きていた頃に出したハガキが来る.落ち込むおばさんのそばで突然「めんこい仔馬」を歌い出す清太と節子.
そりゃおばさんじゃなくたって怒りたくはなるでしょう!
「火垂るの墓」も数が多すぎて「アウトサイダーアート」な世界になっているし.
最後のシーンは予算が足りなかったのか,炎天下で撮影された雨のシーンです.最近の映画ではよくありますね.大嵐なのに足元にくっきり影が出てます.
ジブリのアニメがいかに「名作」であったことが分かります.
お金と時間があっても決して見てはいけません.

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