2018年12月22日土曜日

私はマリア・カラス

2018年12月22日 私はマリア・カラス☆☆☆☆

十数年前,マリア・カラスの映画ブームがあり,幾つかの映画が封切られた.どれも同じような内容だったし,特に驚くこともなかった.
この映画は,彼女が師であったエルビーラ・デ・イダルゴとの往復書簡や,個人の録画,録音をまとめたものを中心にまとめられている.
カラスの声は実に不思議でした.低音は唸るようなドスの効いた声,高音は金切り声,アジリタは正確でアクロバティックだけど,決して美しい声ではない.「あ〜」だけでもうっとりするカバリエとか,「耳が眩しくなるような声」のサザランドのほうが遥かに「美声」です.
でもそれを置いといてもすごいのがカラスなんです.

残念なのはカラスとオナシスの関係を純愛みたいに書いているのと,その後ジュゼッペ・ディ・ステファーノとの泥臭い恋愛があったことは全く触れられてません.
金切り声の古い音源をこれでもかと流すので「うるさい」と思った観客も多かったようです.(流石にカラス映画だと観客層も老いぼれが多い)
何しろカラスですから,色々なシーンにあらゆる有名人が映り込んでます.ビスコンティ,ゼフィレッリ,プレートル,アンナ・マニャーニ,カトリーヌ・ドヌーブ.
カラスが好きなら見たほうが良いです.
オペラに興味がないとか,カラス以外知らない人は無視したほうが.

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