2012年2月28日火曜日

チャイコフスキーがなぜか好き☆☆☆



 
今年の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」公式本だそうです.今年はロシア音楽がテーマだそうで.
著者はロシア文学者で,音楽は門外漢なせいか,「ロシア音楽Love,チャイコLove」と言いながらも甘さが目立ちます.特に,オペラ,バレエと言った色物系の音楽に.
チャイコフスキーのヲカマ性にも,スクリャービンの交響曲1番の「中二病」にもグラズノフの名作「ライモンダ」にも殆ど触れてません.ハチャトゥリアンの代表作「交響曲3番」を最近知ったらしいです.Pコンのフレクサトーンも無視.
ハイドンの次に多くの交響曲を書いたのはミャスコフスキーだそうですが,モーツァルトも,ブライアンももっと多くの交響曲を書いてます.
ショスタコービッチで一番聴きたいのは「ムツェンスク郡のマクベス夫人」だそうです.
あの〜〜数年前新国で上演されましたが.
ま,「お前が言うな」な著作です.でも毒がないからお勧めかも.

ヤング≒アダルト☆☆☆

2012年2月28日 ヤング≒アダルト☆☆☆

田舎暮らしが大嫌いで,都会へ出た(と言っても所詮はミッドウェストのミネアポリス)メイビス,ゴーストライターとしてそこそこ稼げるようになったものの,結婚は失敗,仕事の先行きも不明,ふと自分無くしをしに,故郷に帰る.
実は元カレが結婚して子供が生まれたというメールが来たから「都会で暮らすナウいレデェが色仕掛けで元カレの焼け棒杭に火をつけて奪還しよう」と本気で考える痛さ.
で,彼は靡かず,周囲の旧友も「イタタタ」と見るばかり.
ま,そんな話だけど,これって20世紀前半の日本なら「カルメン故郷に帰る」みたいに楽しめるのだろうけど,21世紀のアメリカに本当に存在するの?
なんか時代錯誤のような気がして.ま,短い映画ですから見ても良いとは思いますが,決して感動はできません.

2012年2月25日土曜日

冷たい金魚☆☆☆

2012年2月25日 冷たい熱帯魚☆☆☆

ほぼ一年前に公開された作品..巷の評判はそこそこ良かったものの,例によって見せたいのか見せたくないのかという公開形態で,あっという間に終映.ユナイテッド・シネマ豊洲でアンコール上演が始まったので,見に行って来ました.
で,ん〜〜〜〜〜園子温ってやっぱり苦手かも.結局「神様ごめんなさい,お父さん大好き」な映画でしか無い. これって,園子温自身の経験なのだろうか?この人自身が子供の頃,父親から継続的に虐待を受けていて,そして自分の「お父さん大好き」な気持ちを受けてもらえなかったトラウマが,どの映画見ても「お父さん大好き」になってしまうのではないかしら.
アウトサイダーアートのヘンリー・ダーガーが,自分の書いた絵の中に,しばしば首を絞められて目を向いて苦しんでいる子供の姿がよくあったけど,これもダーガー自身の経験ではないかと思っている.
ま,でもこの映画はスプラッターがすっきりするぐらいグチョグチョなので,嫌な気分はしません.
もう一つ,この人の映画で面白くないのは,テンポが悪いの.20世紀のATG映画みたいに.誰かに呼ばれて,側に行くだけのカットを
  • 「・・・さんこっち来て」
  • はっとするカット
  • しばし呆然
  • 抜き足差し足で近づく
  • 震え声で「呼んだ?」
こんな感じで.そして,意味のないデカパイ谷間強調カットと神楽坂恵の咽び泣き.いい加減にしろ!

2012年2月23日木曜日

DK 男子高校生萌え


 
思い切り邪な気持ちで買ったフォトブックなんだけど,もう ハァハァ(;´Д`)…ハァハァではなくて,思春期の男の子の馬鹿さ加減が全面に出ている,コカコーラのジョージアの,「男ですいません」のCMと同じような内容で,おばさん涙が出そうになりました.
教室で居眠り,コブラツイストごっこ,生着替え,ヘッドフォンを片方ずつ分け合う,掃除道具でちゃんばら.
男の子って高校ぐらいまでは恐ろしくバカなんです.大学,社会人になると「そこそこのバカ」に落ち着きますが.
そういった男の子のおバカ加減と,危うい美しさと汚さ(ニキビいっぱいとか)すべて含めて男子高校生可愛いな,と思わせる作品です.
思わせぶりな裸とかBL系とか一切無い.ひたすら男の子たちのおバカを追求した素晴らしい作品です.お値段もお買い得だし.
モデルの子達が中途半端に垢抜けなかったり,南東北でロケしたりというのもリヤルだし.

2012年2月19日日曜日

ノートル・ダム・ド・パリ☆☆☆☆☆

2012年2月19日 牧阿佐美バレヱ団公演 ノートル・ダム・ド・パリ☆☆☆☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス

エスメラルダ・・・・・・・・・・マリーヤ・アレクサンドロワ
カジモド・・・・・・・・・・・・菊池 研
フロロ・・・・・・・・・・・・・中家正博
フェビュス・・・・・・・・・・・逸見智彦
指揮・・・・・・・・・・・・・・デヴィッド・ガルフォース
演奏・・・・・・・・・・・・・・東京ニューシティ管弦楽団

エスメラルダ役に決まっていた団のダンサーがふたりとも故障で,代演がマーシャ?ありえない.単に交渉が難航したか,マーシャのスケジュールがはっきりしなかったか(ついこの間までボリショイの日本公演で来てたのだから)せしょう?マーシャありがとうな公演でした.
牧のノートルダムは,再演を繰り返しているから安心してみていられるし.
まず,オケが良かった.モーリス・ジャールの複雑で打楽器の多いスコアを見事に演奏していた.指揮はバレエの専門家なのでうまくて当たり前か.ジャールの曲があまりにも面白くて,思わず聞き入ってしまうことも度々.
さて,プティのお気に入り菊池 研くんがカジモドだけど,日本のバレエ界でも飛切りの美丈夫だから,カジモドと言われてもピンと来ない.「なに?あのイケメソ?」
でも踊りはしっかりしていました.
マーシャの踊りというと「嫋やか」とか「繊細」とは違うイメージを持っていたけど,ものすごく綺麗に踊ってました.見直しました.
新国のレパートリーではないのが残念.

追記
カーテンコールも良かった.マーシャは劇場中にキスを振りまき,それに観客が拍手で応える.オケに拍手,コールド全員とハイタッチ.マーシャ自身がこの公演を楽しんでいるのがよくわかった.

2012年2月18日土曜日

沈黙☆☆

2012年2月18日 沈黙☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス

ロドリゴ・・・・・・・・・小原啓楼
フェレイラ・・・・・・・・与那城 敬
キチジロー・・・・・・・・桝 貴志
モキチ・・・・・・・・・・鈴木 准
オハル・・・・・・・・・・石橋栄実
指揮・・・・・・・・・・・下野竜也
演奏・・・・・・・・・・・東京交響楽団

「沈黙」という作品は素晴らしい文学作品だから,まともに作れば十分に感動的な作品になるはずなのに.まさに「誰得」な公演.不協和音とほとんどセリフの歌.
 演出は良かった.盆に大きな十字架だけで,すべてを表現していた.歌手もうまく歌ってたし,演技も良かった.しかし,音楽が・・・・・.
キリスト教なんか知らないあたくしは「絵を踏んだだけでバチが当たるなんて,なんてケツの穴の小さい神様だ」だし,転んだフェレイラの言う「キリストなら転んだだろう」と言うのもわかる.むしろ,なんでそこまで意地になって「転んだふり」を拒むのだろう.
というような気分をもむちゃくちゃにしてくれる音楽が最悪.
全くまともな日本語オペラは無いのか?山田耕筰の「香妃」でもやってくれればいいのに.
そういう意味で,何年か前の「愛怨」はいい作品だったわね.

2012年2月17日金曜日

鈴本演芸場

2012年2月17日 鈴本演芸場

三遊亭粋歌・・・・・・・・・二人だけの秘密☆☆☆
鏡味仙三郎社中・・・・・・・太神楽☆☆☆☆
宝井琴調・・・・・・・・・・重成の堪忍袋☆☆☆☆
林家彦いち・・・・・・・・・熱血怪談部☆☆☆☆
ロケット団・・・・・・・・・漫才☆☆☆☆☆
柳家さん喬・・・・・・・・・そば清☆☆☆☆
桃月庵白酒・・・・・・・・・転宅☆☆☆☆☆
仲入り
丸山おさむ・・・・・・・・・声帯模写☆☆☆
古今亭菊之丞・・・・・・・・鍋草履☆☆☆☆
柳家小菊・・・・・・・・・・粋曲☆☆☆☆
三遊亭白鳥・・・・・・・・・はらぺこ奇談☆☆☆☆

白鳥目当てで鈴本へ行ったら,結構混んでいるのでびっくり.
粋歌の噺は良い内容なのだけど,いかんせんいまいち表現力が.歌留多師が演じたらもっと面白くなるかも.
ロケット団は別格ですね.いつ見ても面白い.マンネリといえど面白い.
さん喬がそば清をやったので,その後もそばをイジるイジる.白酒の転宅は,泥棒がそばを食べまくるし,白鳥までがそばを食う.
一番面白かったのは,白酒の転宅か?この噺いろいろな人で聴いてるけど,白酒がやると,泥棒のアホ加減が面白い.
菊之丞の鍋草履は,桂歌丸が蘇演した作品らしい.爆笑系の噺ではない.
さて,白鳥のはらぺこ奇談は,座布団抱えて高座でのた打ち回ったり,運動量の多い噺でした.

2012年2月10日金曜日

歌川国芳展☆☆☆☆☆

2012年2月10日 歌川国芳展☆☆☆☆☆ 於 森アーツセンターギャラリー

それにしても,平日の六本木ヒルズとか銀座って,インターナショナルよね.チャンコロとかチョンとかが大量に湧いているので,「日本語でOK」状態.
あたくしぐらいいい加減な人間は,浮世絵は知っていても「その絵だれの?」状態です.
昨年新国で初演されたビントレー版「パゴダの王子」,ストーリーや装置に「国芳のイメージ」が多用されていたらしいので,見に行きたかったけど,何しろ混雑.「そのうち行こう」と思っていたら,もう,今週末で終り.
今日は休暇でお休みだったので,やっとこさ見に行くことに.でも,混んでる.
フェルメール程ではないにしろ,小さい作品が多いので,覗き込まないと見えないかも.
図録がタプーリの内容なのに,たったの2500円.此方のほうが良いかも.
図録で初めて「極印」なんてのを覚えました.
あ,これね,ビントレーが「いんすぱいあ」されたのは,と言う絵はいくつもありました.
国芳の絵には「笹紅」が無かったのかしら?

麒麟の翼〜劇場版新参者☆☆☆☆☆

2012年2月10日 麒麟の翼〜劇場版・新参者☆☆☆☆☆

 TBSのドラマの時から新参者は大好きな作品でした.そして映画版.大体映画にブローアップした作品は悲惨か,楽屋落ちで終わることが多いのですが,見事な娯楽作品になってます.
江戸橋で刺され,なぜか日本橋の真ん中まで歩いて行き死んだ男,その男の荷物を持っていて,職質から逃げて車にはねられDOAに近いDQN系被疑者.そして,彼らをめぐる人物たち.
推理作品として一流なだけではなく,人間ドラマとしても一流な作品です.
あたくしのような機能不全家族で育った人間って,当事者になると無関心だけど,ドラマだと涙してみるのよ.
松本清張も横溝正史も,単なるトリックの解明より,人間ドラマのほうが重要だった.「点と線」とか「砂の器」とか「八つ墓村」とか.
テレビや映画には滅多に出ない,舞台女優の秋山菜津子が,いい味出してます. 
相築あきこも(・∀・)イイ!!.なんといっても,あたくしの永遠のアイドル「榊原玲奈」で.すから
カメオでたくさんの俳優さんが出てきます.
いい涙流せます.今年のベストワン候補です.
三浦貴大のギャランドゥが一瞬拝めます. ハァハァ(;´Д`)…ハァハァ.

2012年2月7日火曜日

日本列島 いきものたちの物語☆☆☆

2012年2月7日 日本列島 いきものたちの物語☆☆☆

日本人が動物のドキュメンタリーを撮ると,どうして浪花節になってしまうのでしょう.
せっかく名立たるカメラマンたちが二年半以上も時間をかけて,美しい映像を取っているのに,結局「哀れ寒さに凍える小猿は」とか「母とはぐれたこの子の運命は」みたいな「お涙頂戴物語」になっているので,全く楽しめません.
その一方,エンドクレジットのバックには,本編に使われなかった面白そうな映像が沢山.
「日本にはいろいろな動物がいるけど,ゆとりだとかDQNにわかるのはニホンザルとキタキツネぐらい」と判断したのかしら?
日本にはデイヴィッド・アッテンボローのような人は生まれないのね.

2012年2月6日月曜日

荒川アンダーザブリッジ☆☆

2012年2月6日 荒川アンダーザブリッジ☆☆

んーーー典型的な日本映画.ドタバタコメディになってしかるべきなのに,涙多すぎ,親子の愛憎物語になってるし,メルヘン色無いし,無意味に尺長いし,「荒川」と言いながらド田舎の南東北でロケしているから利根川か鬼怒川の田園風景だし,荒川河川敷のホームレスというイメージ全くないし,全く滑った作品だと思います.
出来損ないのATG映画と言うところですか.ま,画面は綺麗なので,見ても損はないかもしれないけど,定価で見るのは進めません.

2012年2月4日土曜日

こうもり☆☆☆☆☆

2012年2月4日こうもり☆☆☆☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス

ベラ・・・・・・・・・・・ベゴーニャ・カオ
ヨハン・・・・・・・・・・ロバート・テューズリー
ウルリック・・・・・・・・吉本泰久
指揮・・・・・・・・・・・デヴィッド・ガルフォース
演奏・・・・・・・・・・・東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

久しぶりの再演.前回はフェリとテューズリーだったけ.いや面白いわ.粋と言うか,コケティッシュと言うか,大人のお話なのよね.
シュトラウスの曲に合わせて,大人の恋の鞘当て.
で,テューズリーの色男ぶりも,カオの艶っぽさも,よかったです.でも一番の活躍はウルリックの吉本くんです.元祖かっとび系ですから,回るし跳ねるけど,今日は演技が物凄く良かった.さりげなくベラの胸をタッチしたり,子供たちと小芝居したり.演技のできるダンサーですね.
 続いて,マイレン.マイレンの切れの良い踊りと「濃い演技」は新国の宝ですね.
 作品が作品だから,いつもよりお子ちゃまが少ないようでした.16時開演と中途半端な時間が,んーでしたが.
珍しくオケが東京シティフィル.良い仕事してました.まあ,指揮がバレエのうまいガルフォースですから.

2012年2月3日金曜日

ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬☆☆☆☆☆

2012年2月3日ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬☆☆☆☆☆

 所詮おちゃらけ映画です,脳味噌使わずに大笑いできます.
お馬鹿なMI-7エージェント,ジョニーが無駄に大真面目にエージェントして,余計な死人を招いてしまう,伝統的なコメディー映画です.
しつこいほどに同じようなシチュエーションが繰り返される所もモンティー・パイソン依頼の伝統.
主役のローワン・アトキンソン,醍醐味は,エンドクレジット時に流れる,実際にはカットされてしまったシーン.「アニトラの踊り」に合わせて料理を作るシーンでしょう.

2012年2月1日水曜日

Always三丁目の夕日'64

2012年2月1日 Always三丁目の夕日'64☆☆☆☆☆

良い意味でたっぷり泣ける映画です.それもさわやかな涙で.
六ちゃんはお嫁に行き,淳之介は千尋の谷に落とされ這い上がる決心をする.そして,時は東京オリンピック.
六ちゃんの相手は悪い噂のある外科医.でも,噂は根も葉もないことがわかり,鈴木オートの夫婦は結婚を認める.息子が「結婚の許可は六ちゃんのご両親が出すものであって,父ちゃんと母ちゃんの許可はいらないだろ」御尤も.
小説家の竜之介は,「小説家なんぞヤクザと同じ,まともな男の商売ではない」と勘当された父親が,実は自分の作品の一番のファンであることを知る.
文才のある淳之介が「小説家になりたい」と言うと,頭ごなしに反対する.そして追い出す.
しかし,奥さんと「大事なぼく達の長男」と涙を流す.
この時代になるとあたくしも朧げながら記憶があります.遠い目・・・
さて,この映画3Dも上映されています.時間の都合で3Dを見ましたが,特に3Dで見る必要はありません.でも,オープニングタイトルの「東京タワーの頂辺から地上を見下ろす」シーンでは,タワーの先端が「手で触れるのではないか?」と言うぐらい飛び出して見えました.
メガネがあれば追加料金がない,朝鮮3Dであれば見ても損はないと思います.
あたくしはメガネが重い,ExpanDの劇場で見たので,涙拭くのも大変でした.