2017年3月21日火曜日

ルチア☆☆☆☆

2017年3月20日 ルチア☆☆☆☆ 於 新国立劇場オペラパレス

ルチア・・・・・・・・・オルガ・ペレチャッコ=マリオッティ
エドガルド・・・・・・・イスマエル・ジョルディ
エンリーコ・・・・・・・アルトゥール・ルチンスキー
ライモンド・・・・・・・妻屋秀和
アルトゥーロ・・・・・・小原啓楼
グラスハーモニカ・・・・サシャ・レッケルト
指揮・・・・・・・・・・ジャンパオロ・ピザンティ
演奏・・・・・・・・・・東京フィルハーモニー交響楽団

とても素晴らしい演奏だったのだけど,ルチアの狂気が「声」に感じられなかったので.
所詮ルチアです.ハイソプラノが声を転がしてナンボ,カナリアかナイチンゲールです.ストーリーも「はいはい」な内容だし,最後も「ハイハイ」な終わり方です.でも良かったんです.
まず装置が良かった.合間合間にスコットランドの断崖のシーンが入るのですが,プロジェクションマッピングで実にリアルな波しぶきが映し出されます.
その他にも,白の中,泉のほとり,別の断崖と,装置が入れ替わったり,紗幕で浮かび上がらせたりがとってもうまく行ってた.
次に合唱.六重唱からの合唱の場面,世界最高の合唱を聞かえせてくれる新国合唱団の面目躍如.こんなに感動できる作品とは思わなかった.
さて, 狂乱の場,血塗れのルチアはヤリにアルトゥーロの首級を指して登場.
お兄様の頬を血塗れにしながら歌い転げるけど,高音に馬力がないので「狂乱」してないのよ. 演技は狂乱してるのに.
そして通常なら余分なシーンと受け取れられかねない場面なのに,エドガルドがルチアの死体を抱えて断崖から飛び降りる瞬間に暗転という素敵な幕切れ.
まーールチアごときに感動させられましたよ.
会場に白井晃さんがいらっしゃいました.

本来の形ということでグラスハーモニカを使ってましたが,何もわざわざと言う感じはしました.所詮ドニゼッティですから.それに「現代オケと張り合える強い音がでる代用品」なので音は立派だけど,フルートでいいんじゃない?
ところでグラスハーモニカが廃れた理由のひとつに「 演奏者が発狂してしまう」というのがあるそうです.

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