2009年5月28日木曜日

闘うバレエ


ご存じササチューこと,佐々木忠次の自伝.
子供の頃からレビュー好きで,舞台に関わる仕事に就きたくて日芸へ.卒業後様々な舞台の政策に関わり,東京バレエ学校の舞台制作を担当したら同校が倒産,債権者の一人として交渉するうち,バレエ学校の運営を頼まれ,バレエ団に改組.
なにかと言われるササチュー氏ではあるが,「呼び屋」としての才能は確かだと思う.
バレエ学校に関わるようになると直ぐにバレエ団,工房,制作会社を立ち上げ,ファッションショーや流行歌手の舞台制作をして資金を作る.
強力を申し出たガカーイ系の民音と「宗教抜き」を条件に協力体制を作り,舞台公演を重ねる.
その間世界中の舞台芸術関係者と信頼関係を築き,ノイマイヤー,バランシンなどから作品の提供を受ける.
モスクワクラシックバレエをやめた直後のマラーホフからも日本での活動を任される.
そして,ササチューはついにスカラ座の引っ越し公演まで成功させる.
ベジャールが崇拝する三島由紀夫も,三島と一緒に「黒蜥蜴」の制作をしたササチューからすれば「単なる露出狂」
元の本が出版されたのが2001年という事もあり,上野水香は出てこないし,自伝だからいわゆる「二国問題」もほとんど出てこないところが少し物足りないか.
ササチュー,パトリック・デュポンとローラン・プティは苦手だったみたいね
「舞台を見る事もダンサーの仕事」だからNBSの公演には東京バレエ団のダンサーがたくさん招待されるのは構わない,けどね,一番良い席に,高岸王子のような背の高い人が座ると,後ろは結構迷惑するのよ.しかもこちとら自腹だい.
新国の牧阿佐美監督とは同い年というが,かくしゃくとしている牧センセと較べて,最近のササチューは老いが目立ち,両脇を抱えられて歩いているけど,でも相変わらず全ての公演に立ち会っているみたい.

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