相変わらずの???なボニングです.
なぜか1867年版です.パリで最後に上演された版です.以降,現在に至るまでパリ・オペラ座バレエ団による上演はありません.
有名なドリゴのパ・ド・トロワはありません.
ドリーブのLe Jardin Animéはありますが,ヴァリアシオンは現在踊られている物と全く違います.ボニングはなにをしたかったのでしょう?
ボニングの「オリジナル初録音」って本当に訳が分からないものが多いです.オペレッタ作曲家のオッフェンバックが唯一「オペラ」として残した「ホフマン物語」を「オペレッタ」に戻して「オリジナル初録音」したり.
海賊はこちらにも書きましたが,かかわっている作曲家が多くて,どれを持ってオリジナルとするかが分からない作品です.その割りには現在の「海賊」がオリジナルのイメージを保っているのがよく分かります.聞いたことがある曲が多いけど,パンチに欠けるのよ(死語)
現在上演されているのは基本的に1955年マールイの版と1973ボリショイの版なので,どこのバレエ団も大した違いはないけど,それを無視してアダンオリジナルではなくドリーブ改訂の1867年版を録音するところがボニングのはてな?なところでしょう.
プーニの曲が混ざっていると可能性もあると思うのですが.
バレエ音楽で余りにもオリジナルを尊重すると,ドン・キホーテに扇子のヴァリアシオンは無くなるし,ラ・バヤデールにブロンズアイドルは無くなるし,ジゼルに農民の踊りは無くなるし,黒鳥のグランフェテも無くなるのよ.
現在生き残っているバレエは「面白くない」オリジナルに色々厚化粧することによって名作となった物がほとんどなので,オリジナル(それも中途半端な)に拘る意味がまったくわかりません.
盗作だけで出来ているLa Fille Mal Gardéeだってアシュトンが復活させられたのも,ドニゼッティから盗んだFanny ElsslerのPDDとランチベリーが加えた木靴の踊りのせいでしょ?
勿論アシュトンの振り付けはロイヤル雑伎団向きで素晴らしいけど.
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