2008年8月24日日曜日

ひゃくはち☆☆☆☆☆

2008年8月24日 ひゃくはち☆☆☆☆☆
この映画予告編が最低です.「巨人の星かよ」と思わせる全くスポコン風の予告編なので本編を見る気になりません.
ところが聞こえてくる評判が「脱力系」なので見に行ってみました.別に風呂場のシーンで ハァハァ(;´Д`)…ハァハァするためではありません.
いやーーー,脱力系スポコン映画.力入らないけど泣ける映画です.
野球の名門校「京浜高校」.日本中からスポーツセレクションで生徒が集まるので,普通に受験して入学した生徒が野球部のレギュラーになるなんて夢のまた夢.そんな受験組,万年補欠の雅人とノブ.
この二人が最後に補欠ながらもベンチに入るまでの脱力系ながら無駄に前向きな一年を見事に書いてます.最初のシーンが京浜高校が負けて応援席が泣き崩れるのに,うつむきながらにっこり笑い握手する雅人とノブ「よっしゃこれからは俺たちの時代だ!」脱力します.
選手達はもちろん聖人君子ではなく,お姉ちゃん達と合コンしたり,隠れてタバコ吸ったり,お酒飲んだり.「でもそれがばれて大変な事になる」ような安易な映画ではありません.
厳しい練習のシーンはたくさん出てくるのに,試合のシーンがほとんど無いんです.生徒達のいがみ合いも最小限.むしろレギュラー達も補欠たちを全くの同志として扱うし.
でも脱力系なんです.単なるスポコンではないんです.
最後の夏にファーストのノブはベンチ入りをかけてサードにコンバートし,雅人が最大のライバルになる,ギクシャクする二人.
雅人だけベンチ入りが決まる.父親と妹のいる実家に電話で報告すると素っ気ない父親.妹に「オヤジ何なんだよ?」と切れそうになると「お兄ちゃん,お父さん,お母さんの位牌の前で泣いてるよ」ここ,泣けました.オヤジの嗚咽が電話を通して聞こえます.
ノブとの中も元に戻ると,レギュラー入りした一年生がデッドボールで怪我して,ノブが代わりにベンチ入りすることが決まる.
報告に走る雅人「ノブ喜べ!不謹慎だけど喜べ!」このセリフが全てを現しています.子供のくせに妙に良識がある都会の高校生,中途半端に大人でそのくせ脱力系.
さて,ベンチ入りは決まったものの,二人は絶対ベンチだけ.ならばと秘密の特訓を始める.
県代表を掛けた最後の決戦,打者後一人というところで京浜高校の投手が崩れ始める.監督がタイムを取り,雅人に「深呼吸させてやれ」と命令.
雅人は特訓の成果を見せる.マウンドに向かう途中で一世一代の「転け」を見せる.
和んだ京浜ナインが指をひとつに高く掲げたところで映画は終わります.試合の結果なんかどうでも良いじゃん,な終わり方です.
子供たちが名演です.監督役の竹内力,素晴らしい演技でした.
クレジットの最後に竹内力のバストショットと「未成年の喫煙と飲酒は法律により禁止されています」ごもっとも!
タイトルの由来は「除夜の鐘ってなんで108か知ってる?煩悩の数だよ.野球のボールの縫い目も108.野球はアメリカ生まれだから関係無いけどね」
脱力

追記
今日原作を買ってきました.原作では高校卒業から8年たった雅人の回想として書かれています.そして,卒業前のノブに大変な出来事があって雅人は卒業後野球部の仲間とは一度も会わなかった事が解ります.
でも,最後にみんな集まってバカ騒ぎをします.原作もすてきな内容です.でも,野球音痴のあたくしには???な表記も多いです.

0 件のコメント: