2012年1月5日木曜日

ミハイロフスキー劇場 海賊☆☆☆☆☆

2012年1月5日 ミハイロフスキー劇場 海賊☆☆☆☆☆

メドーラ・・・・・・・・・イリーナ・ペレン
コンラッド・・・・・・・・ファルフ・ルジマトフ
アリ・・・・・・・・・・・レオニード・サラファノフ
ギュリナーラ・・・・・・・サビーナ・ヤパーロワ
指揮・・・・・・・・・・・アナートーリー・リバルコ
演奏・・・・・・・・・・・ミハイロフスキー劇場管弦楽団

今の形で「海賊」の上演が始まったのは,1955年,マールイのはず.その後,ほぼ同じ版でマリインスキーが,少し違う版がボリショイとABTで上演されるようになった.
今までに何度か日本で上演されたマールイの「海賊」は1994年ボヤルチコフが改訂した物.
音楽は今と変わらないけど,最後のJardins Animésはパシャの船の甲板という物でした.
今回のは2009年にルジマトフが改訂,演出 した版.YoutubeにHDクオリティの動画がたくさん上がってるからごらんになった方も多いでしょう.産休でシェスタコワが来ないのが残念.
さて,基本はボヤルチコフ版とは変わりません.音楽もマリインスキーとほぼ同じだと思います.
違いは「男子をもっと踊らせていること」と「小芝居が多い」こと.洞窟のPDTでも,パシャのシーンでも,あっちこっちで小芝居をしてる.ギュルナーラのPas d’Esclaveでも,グランジュテで太守達を蹴散らしたり,小芝居をタップリちりばめてる.
男子の踊りは,奴隷市場では男子奴隷も踊らされるし,最後のシーンも,通常は船に乗って去って行くだけなのに,海賊達は徹底的に踊らされる.
「意味の無いお色直しとヴァリアシオン,あるようで無いトンデモストーリー」が信条のおバカバレエです.脳みそ使わずに楽しめました.
ところが,コンラッド役のルジ.プリモオーラ出まくりで「このバレエの主役はコンラッドかよ?」です.廻る廻る,跳ぶ跳ぶ.ま,サラファーノフが負けじと廻って飛んでいたから良いのだけど.サラファーノフとルジが並んでわかるのは,身長差はほとんど無いのに(サラが少し大きい),ルジは顔が小さいから八頭身で大きく見えることと,サラの幼児体型が目立つこと.
一人で踊る分には良いけど,並ぶとルジの格好良さが目立ってしまうのと・・・・ルジはやっぱり不世出のダンサーだと言うこと.マールイに移ってから,現役のルジをタップリ見られたのが幸せ.
衣装や装置がきれい.でも書き割りばかりで「金なんぞかけなくても良い舞台は出来る」の見本.そのかわり男女30人ずつぐらいのコール・ド・バレエは必要だから,世界一のコール・ドを持つ,新国バレエ団に上演して欲しいわ.
それにしても,この劇場のオケ凄いわ.決して感動できる演奏では無いけど(所詮アダンとかプーニの作品ですから)全く音を外さない.楽譜通りの演奏したら拍手喝采の東フィルとは大違い.プロの仕事見せて貰いました.

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