2009年7月14日火曜日

歌舞伎座さよなら公演七月大歌舞伎☆☆☆☆☆

2009年7月14日 歌舞伎座さよなら公演 七月大歌舞伎☆☆☆☆☆ 於 歌舞伎座

夏祭浪花鑑
団七九郎兵衛・・・・・・・・・・・・・・・・市川海老蔵
三婦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・市川猿弥
玉島磯之丞・・・・・・・・・・・・・・・・・市川笑也
一寸徳兵衛・・・・・・・・・・・・・・・・・中村獅童
傾城琴浦・・・・・・・・・・・・・・・・・・市川春猿

天守物語
天守夫人 富姫・・・・・・・・・・・・・・・坂東玉三郎
姫川図書之助・・・・・・・・・・・・・・・・市川海老蔵
亀姫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中村勘太郎
種の盤坊・・・・・・・・・・・・・・・・・・中村獅童

平成18年の天守物語も見ていたのに,素晴らしい舞台と感激していたはずなのに,何にも理解してなかったんだ,あたくし.
舞台空間の怪しさ,鏡花のセリフの美しさ.この日本語が美しいと思える自分をほめてやりたくなるような美しい日本語です.
「千草八千草秋草が、それは/\、今頃は、露を澤山《たんと》欲しがるのでございますよ」
「一村雨《ひとむらさめ》颯とかゝつたから、歌も讀まずに蓑をかりて、案山子《かゝし》の笠をさして來ました。」
「すゞしい言葉だね、其の心なれば、此處を無事で歸られよう。」
「否々《いえ/\》、この燈は、明星、北斗星、龍の燈《ともしび》、玉の光もおなじこと、お前の手では、蝋燭には點きません。」
「千歳百歳《ちとせもゝとせ》に唯一度、たつた一度の戀だのに。」
「前世も後世も要らないが、せめて恁《か》うして居たうござんす。」

もう,このようなセリフを浴びているだけで気が遠くなるような心地よさ.さらに,音楽の使い方が実に美しい.
「ふるあめりかに袖はぬらさじ」の時には「別に歌舞伎に仕立てなくても」と思ったけれど,この作品は歌舞伎でなければ,いえ玉三郎でなければ楽しめないでしょう.
とにかく素晴らしい.もう一度みたい.

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